三本観たのでそれについて書きます。

ネタバレを含んでいるから、観る予定あるなら読まないほうが良いでしょう。

◆THE FIRST SLAM DUNK

映画『THE FIRST SLAM DUNK』 (slamdunk-movie.jp)

ようやっとる。完璧に面白い映画だとは言わんが、真剣に作ってある。

どういう撮影技術なんだろうか。モーションキャプチャーではあるんだろうけど、複数人の動きが矛盾なく画面に出ていて凄かった。手書きしてるところもあっただろうけど、違和感なし。

内容としては山王戦と宮城リョータを二つの柱に据えて展開されていくのだが、万人ウケを狙ったものではなかった。原作は読んだほうが良いし、大人が視聴するように作ってある。感覚を持ってないひとが見た場合は回想シーンとか退屈だろうし、宮城の母とか嫌に映るだろう。宮城しかフィーチャーしなかったのも、構成/コンセプト的にしょうがなかったかもしれないけどバランスが悪いのかもな。総力戦で山王に当たってたわけですし。でも全部やり切ろうとしたら映画サイズには収まらなかっただろう。普通は外せないような名シーンをバッサリ切ったのも巧い判断だった。

映画として纏まっていたから良かったけど、山王戦でいいんだ?とは思った。THE FIRSTと銘打ってたからSECONDとかやるんかと思ってた。ポイントガードを指してFIRSTであるという説を見かけたんでそれかも。

宮城が渡米してたのは何だかな。沢北は渡米するけど、流川があぁだったし、そこで宮城が渡米して沢北と試合してんのは簡単すぎるんじゃないの。

木村昴という声優が桜木の声をやってるんだけど、この木村昴っていう人が声あてるのヘタでちょっと。声が合ってないとかじゃなくて、声あてるのが下手。有名な声優としてはかなり珍しく変に我が出た声というか、声優が主役だと思ってるような発声をしているから後乗せのアフレコに聞こえてしまう。ディズニーで声当ててる芸能人のほうがまだ上手い。木村で言えば木村拓哉のやったハウルのほうがまだ聞ける。個人的にはな。お前がどう思うんだかしらない。

◆シン・仮面ライダー

いやぁ良かったー。ようやっとる。素晴らしかった。シンエヴァでも思ったけど、客から求められる要素を破綻してないように見せながら盛りつけるのが巧い。

俺にとっては凄い良かったけど、普遍的に面白いかと言われるとそうは思わない。ダメな点なんてスラムダンク以上に幾らでも出てくる。でも観終わった感想としてはスラムダンクの三倍は良かった。震えた。パンフレット買っちゃったし。

仮面ライダーの原作は読んだことないし昭和のテレビシリーズも観てないんだけど、それらに沿ってやれてるんじゃないか。わからんが。

シンウルトラマンは良くも悪くも日本のドラマって感じで、分かりやすくて浅くてエンターテインメントでザコが観ても平気なように甘く作られていた。でも仮面ライダーは「多くを語らない」で作ってあって、野郎用すぎる。奥にある深さを察する能力がないと見てられん。

演技は全体的に巧かった。表情とか体捌き、目の動かし方まで細かい。目の動きで演技してるところがあって上手だなと感じたけど、ちょっと過剰なところもあったような。

個々の展開として「そうはならんやろ」みたいな粗さがボンボンあるんだけど、わざとそう演出していたんだろうとも思える。普通に考えれば絶対に要らない謎行動をショッカー側のオーグがよくしていたが、怪人ってそういうもんなんだろう。サソリオーグも何が何だかわからないまま死んでるし。見ていて変な手ごたえとして残るような映画だった。

▼文句とか

CGがクソほどチープ。でも何だかレトロというかバカバカしくて笑ったわ。あれはあれでありなのかもしれない。真面目に作ってんのか狙ってやってんのか判断つかない。部分的にCGはリアルに作られているし、ベースは人間ドラマだからバットオーグの羽ばたきとかハチオーグとの高速殴り合いとかのCGの粗が目立ったわ。アクションは昔っぽくてよかった。暗い中でドカドカとアクションやってんのが面白げで、ああああぁ!…どういうこと?みたいな置いてけぼり感が良かった。これは映画館で観たいかもな。バイクでメタスラアタックしたのも激しすぎて笑った。

ショッカー(SHOCKER)という組織が最終的にはよくわからん。最も不幸な人の願いを叶え続けるというモデルで動いてるから一貫性はあるんだけども。昆虫と掛け合わせるとかいいながら次の敵がコウモリだったし。色々雑。雑だけど、作品が雑というかショッカーが雑って感じながら観てた。改造は別にショッカーが主導してるってわけでもなかったんかな。あとショッカー構成員は死んだら泡になるんだけど、身に着けてるもの全部泡になるのはどういうことなの。

途中から一文字隼人がルリ子に恩義を感じるようになるんだが、そこの表現はもう少し丁寧にしたほうがよかったでしょうね。一文字はショッカーから悲しみを奪われて洗脳され、その悲しみをルリ子が思い出させた。その悲しみが一文字にとってどれほど大切だったのか、ひとつだけでいいからセリフが欲しかった。見方によっては逆洗脳だ。

ライダーキックの時に背中のパネルが光って推力を発生させてたんだけど、その表現がなんか好きだったからもう一度見たかったかも。原作にもそういう設定あるんかな。

最後の泥臭い取っ組み合いも良かったが、イチローのパワー供給が失われたことをもっと強調してほしかったかも。急に弱くなったように見えた。

あと、映画館で隣に座った男がルリ子のビデオレターのシーンでポップコーンをサクサク食っててマジかと思った。足広げてきてぶつかったこともあったし。上映中のマナーを守ろうねテメーら。

◆大怪獣のあとしまつ

映画『大怪獣のあとしまつ』公式サイト | 2022年2月4日(金)全国ロードショー (daikaijyu-atoshimatsu.jp)

いやーすげぇ映画だった。クソ。全部の要素がスベってたし、社会人経験ない奴が社会を描こうとしてワケわからんことになってる。ウンコとかゲロとかが面白ワードとして扱われてるのも凄い。チンチンとキノコが似てるとかで映画観てる人に笑ってもらえると思ってるのも、繰り返しになるが凄いとしか言えない。幼稚園児の感性。話の前後の整合性も何も取れてない。今まで存在してなかった問題が都合で降ってわいてくる。全員がふらふらしていてどこにも足場がない。怪獣もののオマージュすらできてなくて、群像劇にもなり切れてなくて、本当に何がしたかったんだかわからない。

観た感じは莫大な費用が掛かっていて、俳優も豪華で演技が巧い。もっとチープに作ったらチープな面白さが発生したかもしれないんだけど、そこすら嚙み合ってない。ナンセンスをやる方法を知らなかったんだろうか。あんだけ予算があったら規模で笑わせることも出来たろうに、金のかけ方が意味不明。作りが自由ということでもなくて撮り方の発想が狭い。その割に尺も長すぎる。全編ギャグにふるという判断すらできてない上に場面転換でのテンションの落差が酷くて見づらい。やり方が全部間違っててどうしようもない。手を抜いて作ってるというか「わざとハズして作ってますよ」みたいに見せてくるゆえ、つまらなすぎて面白いみたいなこともない。男三人で舌打ちしながら観てた。

演出の仕方とか俳優の動き方がなんとなく舞台っぽかった。舞台を観に行ったことないけど。

◆結

マリオは観に行く。スパイダーマンも。

アニメばっかだな。まぁいいか。