三作品読んだよ。

◆サマータイムレンダ

特に無料期間とかではないけど三話は読める。

[#001]サマータイムレンダ – 田中靖規 | 少年ジャンプ+ (shonenjumpplus.com)

アニメが最近放送されてたらしくて、それを観たやつが泣いたわとか言ってたから漫画のほうを読んだ。

▼興味ねぇわ

そう。まぁわかる。漫画とか勧められたの読みたくない気がするし、音楽とか勧められたの聴きたくない気がする。なんとなく。アニメを勧められたらそのアニメ見たくないし、だからアニメが良かったという感想を聞き及んだ俺は原作漫画を読んだ。

▼サマータイムレンダ読むべき?

知るかよ。面白かったのは面白かった。読んでよい。読みたいならもう読んでこい。

▼どうだった?

ようやっとる。面白かった。全13巻なんだけど、筋書き全部を引いてから描いてんだなと思えた。集中して読めば泣けたかもしらんけどそんな没入して読んでなかったかも。

ジャンルとしてはサスペンスSF。ホラーではなくてサスペンスと類したい。ルールの設定とルールの壊し、イベントの配置が上手くて飽きずに読めました。一般レベルの知能というか認識力というか察しの良さが必要ではあるのかも。

多少のお色気要素を持っていたり恋愛要素もあるんだけど「これ以上色恋沙汰やったら違う話になってくるぞ」と感じかけるその手前で切ってくれるんで安心して読める。

各工程を長々やらんので丁度良い。表現しすぎない能力が高いな。押しつけがましい賢さみたいなのも薄い。無いとは言わんが有り得るくらいに収まってる。事象を電子機器に例えていたのも腑に落ちる。

俺がなんらかの作品を見終えた日の寝るとき、ストーリーを脳内で再生することがある。そのなかで設定同士の矛盾とか記憶と行動の矛盾とかが脳裏に過ることがあるんだけど、サマータイムレンダは難しいことやっておきながらも破綻は少なかった。SFとして出来ていたし登場人物の行動が自然。気になったところはあるにせよ好意的解釈で説明はつく。

ルールの設定と、その活かしがよかった。「そういう能力があった場合、これをしたらどうなるんだろう。」をまぁまぁやってくれた。「登場人物のこの行動は甘いわ」と思って読んでたら敵がちゃんと咎めてくれるんで俺は手を打って喜んでました。死ねオラァと思った。咎めてくれたから作品を信頼できた。

▼つっこみ

SIRENかな?と思いながら読んでたんだけど、SIRENです!になったね。作者もSIRENを知っていたらしいし。

よくできてたんだけど、なんか思ったこと。

  • 検視で見つかったという吉川線の話はなぜ伝わってきたのか。しれっと吉川線の情報源変えたよね?吉川線を知っている人について意味深な感じにしてたから俺の脳に保存してたんだけど、変えてきたんでコイツと思った。
  • しんぺいがコピーされたことについての取り扱いがなんか変じゃない?と思いながら読んでたけど、俺の理解力が足りてないだけかも。
  • 影の原理がよくわかんないです。どうやって踏まれるのを避けてる?影自体はあるんじゃないの?平面と泥ってそれぞれなに。光学的にどういう扱いなのかが謎だと思った。潜るってのもわからん。ノイズの現れ方も技術的に言えば(略
  • 民間伝承周りの表現が借りてきた感じで血が通ってない。あぁいう始点からヒルコ信仰が残っていったとして、「影の病」の伝わり方が変に思える。コントローラーが初めからいたのにね。土着宗教とかの認識の仕方に多面性がなくて底知れなさもなかった。ヨモツヘグイとかっていうお手軽なワードは誌面に出すべきじゃない。自分に落とし込めてない厨二ワードを手癖でポッと出すと世界設定が陳腐化する。SIRENの赤い水を知ってたであろうになぜヨモツヘグイがあんなに簡単な表現になってしまったのか。恐怖を身近に持ってくる表現をしたいんならSIRENのテクニックをもっと深く学ぶべきだったのでは。クトゥルフでもSCPでもいいけどよ。分かりやすいワードほど慎重に取り扱わねば。
  • 「情報を食う」と「情報のコピー」がどうなんだろ。コピーってそれ増やすってことでは?増やせるんならそれ食えば?でも同じ情報を食ってもその情報は知ってるから意味的に満たされないのかな。あとコピーするときの光が可視光だったりストロボのチャージ音するのも、分かりやすくて良いけどSFとしてはどうかしらと思った。実際そんな気にして読んではないけど少し引っ掛かった。
  • ループの開始方法と閉じ方についてはむずいよな。平行世界が出てきてしまうし。そもそも死に戻りのオート発動についてもわからん。目が今になって動いたのもわからん。

少し読み直して思ったこと。

  • 黒髪巨乳を探していることについて、言及された理由がわからん。聞いてないんだから言及されなくね?
  • メソポタミア文明っていう合言葉が認証として機能するかどうかって判断はできなくない?って感じたことを思い出した。これは単なる岡目八目だからしょうがないけど。

◆王様ランキング

2023年2月時点で連載中。これもアニメが良かったとかって感想を聞いたんで原作を読んだ。

王様ランキング / 十日草輔(とおかそうすけ) – マンガハック | 無料Web漫画が毎日更新 (mangahack.com)

▼読むべき?

だから知るかよって。あー。じゃあもう読むな。自分で判断できないってんなら金輪際何も読むなお前は。帰れ。

▼どうだった?

ようやっとる。ちゃんと面白いけど読み応えがおかしい。どういう勢いで書いたんだか分からん不思議な読み応えをしている箇所がチラホラある。始まり方が面白くなさそうで絵が下手で不穏なんだけど、世界の奥が意外なほど作りこまれていて良い意味で裏切られました。こんな深く作ってあったのにあんな面白くなさそうな荒い始まり方したのって驚いた。漫画をそんなに読み慣れてない人なら良いところまで到達できずに読むの止めちゃうこともあり得るんじゃないかね。

登場人物の個性の作り方が緻密で、簡単なキャラ付けに逃げていない。登場人物の感情と行動が正しいと思える。俺からして理解できない行動や不可解な思考、不安定な感情、短絡的な意思決定も含めて人格が巧く設定されている。感情や行動の整合性を担保するための前フリも丁寧。画力がメキメキと向上して独特な懐かしい感じのタッチになっていくのも好ましい。

重大な秘密はちゃんと残しつつどうでもいい秘密の暴露が早いんで好印象です。サクッと回想に入ってサクッと抜けてくる。

▼思ったことリスト

  • 序盤、漫画としての単純な無作法が多すぎる。俺は別に構わないんだけど、商業的には書き直してもいいんじゃないか。いやでも画力の上達に連続性がなくなるな。
  • ファンタジーの要素をRPGに僅かに依存してしまったのがよろしくない。マジックポーションと言う用語と飲み薬はよくないし、元僧侶であれば治癒の魔法が使えるとかって合意を読者に求めるのも行儀が悪い。指輪物語とか履修してから書き始めたら甘えたファンタジー要素を排除できたかもな。ファンタジーで一本ぶちあげるんなら指輪物語は教養として読めよ。回復魔法は乱発していただいて個人的には問題ないけど、ゲームのニュアンスを入れてしまったらそれは物語としての純粋性が無駄に損なわれて勿体ない。
  • 気が付いたら何かが始まってるっていうのが、自然ではあるんだけど読み心地として変。でも変でいいとは思う。
  • 不自然でもないけど、わりと簡単に心動かされてポロポロ泣いている印象ある。もうちょい泣くシーンを控えてもよいのではと感じた。いや今のままでいいんですけど。ちょっとな。
  • 途中、王様ランキングっていう題名で合ってるのかって疑問に思ったんだけど、最新巻まで読んだ感じでは問題ないのかも。
  • あの太さの針でノッキングしたら気絶させるにしても流石に無傷では済まないのではと思った。逆にノッキングできる細さで爆砕点穴したら折れるんじゃないか。

◆ハイパーインフレーション

あと二話で完結。この間まで全話無料キャンペーンやってたけどもう終わってる。

[1話]ハイパーインフレーション – 住吉九 | 少年ジャンプ+ (shonenjumpplus.com)

▼評価

ようやっとる。みんなようやっとる。大雑把にしつつ頭脳戦をメインにしつつ死にそうで死なないゴールデンカムイって感じ。死ぬときは死ぬ。真剣にやってんだろうけどギャグギャグしくて笑けて良い。仕掛けに多少無茶があったりするんで、おおらかな気持ちで読んであげるべきかも。

続けて読んだわけじゃなく連載を追ってたから記憶も曖昧だし、感想は以上とする。

◆結

食塩不使用の鯖缶が健康な気するから良く食うんだけど、チューブわさびをかけて食うと旨いってことに一昨日気づいた。いままで七味とかコショウとかヒハツとかチューブショウガとかかけてたけど、俺はワサビが良い。