報道ステーションって番組を見ていて、ゲイの人が「日本で結婚できねぇ」みたいなこと言ってた。イギリスで結婚したんだって。よかおめ。

さきイカ食べながらふんふんと見てたんだけど、その人が「日本ではどうして同性婚できないのかな…」みたいなことを言ってた。それを聞いて俺は「あぁーそれは残念だねぇ」「なんでだろねぇ困ったねぇ」って思っていた。それは良いんだけど、その後のインタビューで泣いたりしててさ。

(同性愛どうこうじゃなくて)うわぁ気色悪いって思ってしまった。思いたくなかったが。

◆なんで?

この問題について本気で悩んでいたら、本気で考えていたら「なんで」っていう言葉が出ることは有り得ない。泣くのもイミフ。結婚が宗教上なんらかの意味を持ってる人なのかな。だとしたらわかる。でも「なんで」はダメだろ。つまり、経緯と都合を何も調べず考えず誰とも議論しないまま今流行りの「お気持ち」でやってんだよ。それはグロい。

テレビ出て泣きながら訴えるのが最適解だと思ってるのだろうか。

この人が悪いとか言いたいんじゃなくて、こういう手合いを取材して放送してしまうテレビが悪い。あの考えなしは怒られるぞ。「なんか世界が自分にとって都合よくない…」としか言えてないんだもの。少なくともテレビで報道された内容だけではそう取るしかない。

「声をあげていきたい」とか言ってたけど、キツイわこいつ。主張だけすりゃいいと思ってるのは無責任極まる。それはそれでそういう人もいると思うしかないが、報道番組の途中に挟むものとしては品質が低すぎた。

当事者じゃねぇ俺ですら、同性婚を認めたときにどこへんで課題が発生するのかっていくらか思い当たるわ。

「なんでなんだろうな」は、本当に良くない。理由に思い当ってないのか…?泣くほど「なんで」と思っているのに、それを知れないの?どういうこと?すげぇ悩んでいて可哀そうなんだけど、なんでこんなに考える能力低いんだろう。別のベクトルだけど俺も悲しい気持ちになってきた。どうすればこういった人を救えるんだろうか。

◆なみだ(正しさの話)

泣くことじゃない。この涙を認めてはいけない。

頭を使わずに感情だけで「こうしたいナリィ…」って泣くのは、よくねぇよ。同性婚を社会に実装するためにどういう考え事が必要なのかを一切考えず、負担する覚悟も負担させる覚悟も無いまま文句だけ言ってんの。

例えばさ、同性愛者を嫌う人間が「同性愛者が本当に嫌いだから国外追放してくれ」と切実に訴えながら泣いてたとする。その涙を認めるのか。涙に同情して、感情を酌んで同性愛者を国外追放するのかい。

そんなもん俺は御免被る。泣き落としが通用して日本の法律が変わるんなら俺は海外に行く。

感情の切実さだけで法を曲げていいのなら、同性愛者を全員くびき殺す法律だって作っていいことになる。だから、あいつの何も考えてない涙は認められない。

感情には寄り添おう。でも主張として認めることはできない。

人が死んだわけでも政府に殺されたわけでもあるまいに、主張しながら泣くのはどういう了見だ。涙はレトリック(修辞)であるから、それを堪えることはある種の誠意と言える。世間に対して広く物事を問うとき涙を流してはいけない。誠意のない行動をするなとは言わんが、俺みたいな性格悪い人間に文句言われることもあらぁな。だって同性愛者が気持ち悪いと心から思って涙を流す人だっているだろう。その涙に世間が感化されたらどう思うよ。納得いかねぇだろうが。正しさじゃない場所での盤外戦はズルいよ。

「同性愛者をぶっ殺したい」という気持ちには倫理的な問題があるわけだが、倫理は時代と所属によって変化しうる。まして、誰かの気持ちひとつで世の倫理が決まるわけじゃない。同性愛者への嫌悪感を持つ人はいまやマイノリティであるかもしれないが、マイノリティであるということを理由に意見を排斥することは許されない。相手の気持ちを責めず、断絶せず、ただ静かに会話しなければならない。さもないと「男が男を好きになるなんておかしい。気持ち悪い。」とか言って精神病棟に強制収容してもいい世の中になる。そういう世の中が過去あった。

◆なみだ(感情の話)

結婚という形式がなければパートナーとの関係は程度の低いものになるの?国に認めてもらえなければ、あなたの誓った愛は愛じゃないの?社会的な障害があるとき、パートナーとの関係は泣くほど深く汚されるの?誰かから認められなければ他者との繋がりに不安を感じてしまうの?

そんな関係は残念ながら本物じゃない。「決断」って言葉を使ったけど、その決断は何に根差してるわけ。安い決断だよ。グラムいくらだ。

決断に覚悟があるのなら最低限の勉強はしていたはずだ。理由を求めたはずだ。「なんでなんだろう」という涙の言葉に俺は幻滅した。お前の感情的な選択を決断と呼ぶことに断固として反対する。覚悟足りてないのが許せない。おとといきやがれ。

何を考えてんの?なんで泣くの?不安定で適当な愛だから結婚できないと不安なの?そんな薄っぺらい関係だったの?

違うだろ。違っててくれ。自分が何を求めているのかって、もう一度問い直すべきだ。そのあとでやっと決断ができるんだろ。

◆現実

「同性婚できないと大変なこと」は十二分に知っておるだろう。でも良いことばかりあるわけじゃない。課題がある。

例えば同性婚が人口増加に寄与する可能性は異性婚より断然低いはずですよね。だとすれば社会制度として同性婚と異性婚を同じく扱ってもいいんだっけ?

つまり「所得税の配偶者控除」「配偶者の扶養手当」も、考え方が世の中の動向に追い付いていない。サザエさん一家みたいな専業主婦の家庭ばっかじゃないんですよもはや。子供を持つ家庭ばかりじゃない。

だから子無しの家庭から税金をぶっこ抜いて、子供を養育している家庭や不妊治療してる人らに注入せねばならんのです。この社会を維持するためにな。社会を維持することに反対するのであれば、今まで受けてきた社会保障の分だけお金を返して日本から出ていかなきゃ道理にそぐわない。

子供の人数に対して適当に金をバラ撒くような制度にもできない。例えば海外から大家族が移住してきて手当を母国に送金してたらどうなる?とかな。なんにせよ、考え事や調整事や前処理がマジ気の遠くなるような果てしない量あるんです。市役所のシステムを刷新したりしなきゃいかんのです。

少なくない数の制度を抜本的に考え直さねばならないような気がしてこないか。公的年金も公的医療保険も所得税もだし、他の夫婦関係が絡む制度もすべて考え直さねばならんような気がしないか。それらは一朝一夕には済みませんよね。しかも「同性婚だけ補助がないです」って制度にしたら、アンタら怒りますよね。でも結婚という形式に泣くほど拘るんですよね。じゃああなたのするべきことって何ですか。声をあげることですか?無責任な政治家だとか都合のいいこと言ってくれる思想家の口車に乗ってまんまと利用されることですか?ふざけんなよボケぶち食らわすぞ。

まず「夫婦であることに対しての優遇」という前時代的な仕組みを全部潰すことじゃねぇのか。子供を育てない、人口を増やさない家庭に対して減税してあげる義理なんてないっしょ?いや義理っていうか優遇する意味が分からない。老後の世話する家族がいない孤独死予備軍である可能性が高いんだから寧ろ社会的な負荷となる。保険料を全額払おう。相続税の控除も条件を考え直すべき。そして増えた税収は子供を育てることに充てよう。

例えばそういうことなのかも知れない。

それは置いておいたとしても、テレビ出てまで主張をしたいのであれば事前の予習は必要でしょうが。じゃないと同性婚を望む人たちの足を引っ張りかねん。泣いてどうなる。ガキの使いかよ。

◆同性愛

新宿二丁目のゲイの店に一度だけ行った(連れていかれた)ことがあったんだが、話したゲイはとてもクレバーだった。頭いい人もいる。

いや知ってるだろうけど、Twitterとかで愚痴ってる性的マイノリティって頭が悪い人多すぎて不安になるよね。Twitterにいるひとって頭悪い確率高いから、あらゆる領域が頭悪くみえるってだけなんだろうけど。

LGBTのイメージ悪化させてるし、普通の知能をもった性的マイノリティを委縮させる効果があるよな。止めたほうがいいとは思うわ。

◆結

まず勉強してからほざけば?