映画『シン・ウルトラマン』公式サイト (shin-ultraman.jp)

◆なにそれ

映画。邦画。庵野秀明という有名な人が監督脚本をしたウルトラマン。

よく見たら監督してないじゃん。企画と脚本だけか。映画の予告についてのちに触れているんだけど、そこを書いているときに気づいた。監督してない。

◆よくわかんないけど観るべき?

任意の映画を劇場で観るかどうかなんざ自分で判断しやがれオラァ。誰ぞが面白いとかつまらないとか言っていても関係ない。

という前提のもと、個人的には劇場で観るほどでもない。なぜならつまらんから。イェイイェイ。

一緒に観に行ったAGOとHASEは納得していた感じだった。ゴミ感性だもんな。

◆どうだったのか

まったくもって期待に沿わない。期待というのはシン・ゴジラ程度の品質。

以下、「シン・」を省略する。

ゴジラを例えば「非常に面白い」「★5」と評価するような感性をテメーが持ち合わせていた場合、ウルトラマンはきっと期待ほど面白くない。なんせゴジラはガキとアホを完全に置いてけぼりにした最高峰の野郎映画だったんだもの。

ゴジラは鑑賞者間の知的断絶を暗に認め、低知能を埒外に遺棄した革新的に差別的な映画だった。低能の存在をギャン無視して一般人しかエキサイトできない映画を作ってしまった。

その点、ウルトラマンは低能人間を許容した反差別的な媚びた映画だ。許せねぇ。全然気持ちが動かなかった。なんで急に子供だましを制作したんだ。とがれよ。ゴジラとのギャップのせいで落胆しました私は。

逆に、ゴジラさえなかったら「こんなもんか🤤」っつって許せていたのかもしらん。

◆わかりやすい

ウルトラマンは見てわかることだけ起こっているからわかりやすい。各イベントもハラハラドキドキサスペンスで盛り上がりがうまく配置されていて楽しみやすい。キャラもたっていて個性的。

つまり、邦画の悪い部分が盛り込まれていた。社会経験とか足りてなさそうな人が想像する分かり易さがそこには在った。深みを感じ取る能力のない人でも楽しめるように作ってしまった。

ゴジラを面白いと言った口でウルトラマンを面白いと評することはできない。キャラがたっているとは言ったけどそれぞれ薄っぺらいし、魅力があったわけではないし、キャラクター間の感情のやり取りも雑で適当だったなぁ。良いように言えば単純で分かりやすくて飲み込みやすかった。

コカ・コーラみたいな映画です。玉露でもしばいたろかとルンルン気分で茶室に行ったらバケツコーラをぶっかけられました。

ゴジラに見受けられた繊細で素朴な人間描写が無かった。感情表現が派手で表面的で記号的だった。

とはいえコーラだったんだし、他の人から話題をふられても怖くない映画だわ。面白かったって感想に合わせて話すことも容易。

◆雑

ウルトラマンの登場人物は行動に妥当性がない。なんでゴジラ作れたのにウルトラマンはこんなことになったの?

ゴジラが描いている世界よりも浅くて狭くてチンケな舞台なのに、だからこそかもしれないけど各登場人物の行動や思惑、発生している事象が軽くて無機的で具体性に欠けてふわふわしてる。「ここがこうなったら当然こっちがこうなる連鎖」の計算が足りていなさすぎる。

ゴジラでも疑問が浮かぶような場面はあったけど、ウルトラマンはそれが多すぎ。科学的な裏付けも皆無に思える。電源落としただけで全データが死ぬ揮発性記憶オンリーのザコザコちんちんPCとか、匂いは数値化できないからアレを超えるとか。その他にもいっぱい適当な発言があった。空想特撮映画を名乗らんでください。落第です。

空想科学読本の存在をクッソ久しぶりに思い出したんで調べてみたらば、空想科学研究所なるサイトを発見した。いまだに書いてるんだな。シン・ウルトラマンの記事魚拓)をYahooに出してた。あとで読む。

匂いを嗅ぐシーンはマジでゴミだったな。ゴジラ並みの真実味を期待してあれを見せつけられた俺たちの気持ちをどうしてくれる。ジョークを入れるなとは言わんが、ノリがつまらねぇ人間の考えたそれなんだよ。

カメラもゴミ。役者の顔を画面全体に映しまくってたけど、どういう効果を狙ったんだ?初心者が撮ったの?絵面がずっと怠かった。

◆ウルトラマン感が薄い

俺は全然ウルトラマンに詳しくないし世代でもないんだけど、アレはウルトラマン感が薄くない?

プロレス技っぽいのとか足りてないし、少年とか出てこないし。光線銃も撃たないし。デュアッ!とかヘアッ!とかも言わないし。音も全然ウルトラマンのそれじゃなかったような。

改めて言うけど、俺は全然ウルトラマンに詳しくない。でもウルトラマンの音が鳴ってなかった気がした。ゴジラはゴジラ音が鳴ってた。

印象を守れていないんじゃね?カラータイマーが無いこととか伏線になるのかなと思っていたら完全スルーだったんで驚いた。

俺ですら「それあり?」って感じたくらいだ。ウルトラマン直撃世代のオッサンどもはどういうふうに評価してんだろうって。ウルトラマンの根底に流れていたものって表現できていたのか?

きわめて疑わしい。

部分部分でオマージュっぽいものもあったけど、決して効果的な見せ方ではなかったと思う。もっと工夫の余地あるんじゃねぇかな。

ゴジラは、ゴジラの設定を分解して再構築した感じがあった。だから「シン」だと思えた。でもウルトラマンは設定/文化を素通りされた気持ちしたわ。ウルトラマン大好きな人からしたらどうなんだかわからんけど、俺からしたらそう。良さが、キモが、らしさが外されていた。と思うんだけど、お前どう?

◆予告の見比べ

予告に予兆はあったわよ。

改めて見ると「あぁ…」と思う。日本のくだらんドラマっぽさがあるわ。主題歌が米津玄師ってのもポイントか。しゃらくせぇポイント。

ゴジラも見てみよう。

これな。なるほど。

なるほど…

来年(2023年)3月に公開される「シン・仮面ライダー」も見てみよう。

特報なんで予告とはちょっと違うけど

そうだなぁ。わかるわかる。もうわかる。

プロモーション映像も見てみそ?

つまり、仮面ライダーは面白いんだよ。確定で。確定で面白いわこんなもんは。予算が500万円とかなのかとは思えども、面白いわ。

ウルトラマンだけが歪だ。

公平を期すために特報も見ておくか。

これもんよ。もうわかる。もう嗅ぎ分けられる。こういう予告の映画は「絶対に面白い」ではなく「面白いかもしれない」に過ぎないのだ。同人誌みたいな作品かもしれないのだ。

雰囲気がどうこうとか明るいか暗いかとかセリフがあるかどうかとかBGMとかじゃない。踊る大捜査線の予告を見てみるか。

バラエティ臭が強い編集なんだけど、こりゃ予告からして面白い。ウルトラマンにあったような地雷臭が無い。実際のところ面白いし。

◆結

そういう気持ちでした。

各イベントと全体の流れは上手く収まっていて飽きさせなくて匠の技が光ってたんだけども。結果としては残念映画。シン・シン・ウルトラマンを再提出してください。

この記事を書いている途中でシン・ウルトラマンの監督が庵野じゃなかったってことを知れてよかった。仮面ライダーに対する不安が薄らいだわ。楽しみー。