ご好評いただいております「わかりやすい将棋解説」のコーナーですけれども、読者様からは「わかりにくい」「声が小さい」「板書も小さい」「粉薬は飲みづらい」「笑い方がうざい」「みかんがうまい」「魚が安い」「かかとがかゆい」と叱責をいただくことが9割9分と大変に多くなっております。

私自身、物事を説明することをあまり得意としておらず、ご迷惑をおかけしており心苦しく存じております。説明の仕方を何度も見直してはみるものの、お前らのような馬鹿に理解させることは難しく、ここ数か月は毎日ハゲ散らかすほど考え込んでおりました。

このことを麻原彰晃(イマジナリーフレンド)に相談しましたところ、「YOU、将棋のルールかえちゃってトゥギャザーしようぜ!マハーロー!」という幻聴を耳にしました。二時間後、バッドトリップから生還した私の頭の中では先生の教えがこだましていて、その幻聴冷めやらぬうちに「超簡略将棋」のルールを組み上げたわけです。

◆将棋の問題点

▼駒の並べ方が難しい

将棋の打ち方を教えようと意気込んでいたのですが、まず正しく並べられる方がどうやらこの場にはいらっしゃいません。並べ方のシートを渡しても間違えるのは何故かと考えたこともありましたが、答えらしい答えも見つけられていません。

基本的に場所を間違えてはいますし、悪くすれば立体的な並べ方をされる方もいらっしゃって個性が光っていますね。遠巻きに見ているぶんには楽しいものですが、立体に組み上げたのち「この後どうすればいいですか?」と真顔で聞かれた時なんかは心臓がバクバクいうし耳鳴りが起きました。

▼駒を失くしやすい

よく聞かれる声です。駒でドミノとか消しゴム落とし風ゲームとかそういう遊戯に興じているので駒を失くす方が大勢いらっしゃいます。鼻の穴に刺さって抜けないという話もよく耳にしますね。普通の将棋ではスペアの駒は付属しないので、駒が減ってしまっては正しい遊び方をしようと思ってもできなくなってしまいます。

▼駒の進め方が覚えられない

多いですからね。覚えられませんよね。無理を言いました。

「歩は1ターンに何度前進できるんですか?」「え?1ターンで1マス先にしか進めないんですか?」「2回進めたいんですけどいいですか?」という段階にいますからね。

▼3人で遊べない

3人いたら、ひとり余ります。それを苦にして将棋を辞めてしまう人は年々増加傾向にあり、将棋の競技人口を増やす活動に携わっている私としては看過できません。

▼喧嘩になる

駒を相手にとられたときに、ちょっと嫌な気持ちがします。「やめろよ」って思いませんか。「とるなよー!」「おまえー!!」「あー!!!」と言って取っ組み合いの喧嘩になることが本教室ではあまりにも多いです。

◆超簡略将棋

ですから、まずは将棋に親しむため、もっと簡単なルールを設ければ良かったんだと気づいたんです。

以下がルールです。

  1. 将棋の駒を適当な箱にあつめる
  2. 参加者は箱に手をつっこみ、左手で駒をいくつか握る
  3. 全参加者が駒を持ったことを確認し
  4. 「将棋ィ…GO!」の掛け声を合図として他の参加者から駒を奪う

勝利条件は、最後まで駒を握っていることです。

奪い方に制限はありません。

殴る蹴る噛みつくは基本的な戦術ですし、鞭で打つ、ヤッパで刺す、レンガをぶつける等も効果的です。流血を回避したいのであれば金で買収するのもいいですし、1位になりそうな人の配下に収まっておこぼれを頂くのもいいでしょう。

◆参加者の声

わかりやすいし、楽しい。今までの陰険で湿っぽい将棋は何だったんだろうと思います。

仙台県 自営業 (34歳)

駒の下に落とし穴があったときは、「やられた!」と思いましたね(笑)
知略謀略が物を言う頭脳戦が展開されています。

横浜県 兵器仲買 (19歳)

殴り合いになっても金的や目つぶしを狙う人はほぼおらず、皆さん紳士的です。頬骨を砕かれはしたものの、安心して遊べるので嬉しいですね。

神戸県 自衛官 (86歳)

長年無職だった長男が、超簡略将棋で使用する神経ガスを買うために働き始めました。感謝しています。

名古屋県 墓守 (52歳)

竜王戦の最終局面、ミッドフィルダーからフェアウェイに放たれたキャノンショットによりサービスゲームを落とした伊藤9段が、ネクストバッターズサークルからのムーンサルトプレスを躱しつつ両取りヘップバーンを敢行し、見事ポイントアフタータッチダウンを決めた瞬間、思わず涙が零れました。勇気を貰いました。

マイアミ州 アマチュア棋士 (70歳)

かように、皆さん生き生きと超簡略将棋を楽しんでいらっしゃいます。

◆将棋の未来の為に

「こんなのは将棋ではない」だとか、将棋を大して知りもしない外野から色々なことを言われてきました。ですが、今では競技人口も8億6千万人を超えており、次の冬季オリンピックへの競技採用を目指して団体に圧力をかけている最中です。

小中高大学と、超簡略将棋を有する文化部の地位向上が各所から報告されています。かつてはサッカーや野球等の運動部が花形だと認識されていましたが、超簡略将棋の暴力性が文化部員の内なる野蛮を解放し、運動部からスクールカーストの高位を簒奪せしめているようです。

この超簡略将棋こそが将棋の未来を明るくする希望であると、私は確信している次第です。

将棋の難しさを取り除きつつ、よりエキサイティングにブラッシュアップした超簡略将棋、みなさんも遊んでみてはいかがでしょうか。