結論から言えば、何でもない。

何でもないにせよ流行したのは流行した。良質であれば流行するというものでもないし、流行しているから優れた作品であるという事もない。流行というものは誰にも予想付かん。

歌ってみたりすんのは分かるんだけど、なんでみんなこの曲について話してるんだ?

というところが分からんので、ちゃんと聴いて書く。

◆俺の感想

こういう類の曲が別に嫌いなわけではないし、アマチュア感とか厨二っぽいアレは好きだ。いや好きっていうか「ふふ…」って思う。

だが、凡庸だ。凡庸って言っちゃ悪いが、つまり輝くところがない。ニコニコ全盛期で言えばさほど注目も浴びんかっただろう。作詞作曲は「syudou」という人なんだらしい。本意気で書いたんならただただ痛いけど、狙ってそれっぽい曲を作ったんならとても巧い。し、狙ってそう書いてるフシがある。

syudou(衆道)ってことはホモなんだろうか?ホモであることをペンネームにしてしまうのはなんか凄いな。それとも別の意味なんだろうか。いや、「ジャパニーズ★ゲイサムライ」って名前つけるようなもんだしな。ホモだな。syudouはホモ。

「うっせぇわ」という曲名を認知したとき、「ゴチャゴチャうるせー!」を思い出した。

うん。可愛いし、歌詞もよいし。「手は洗ったの?(ゴチャゴチャうるせー!)」からもう面白い。音質悪いけど音作りにも工夫が感じられる。

◆「うっせぇわ」の何が悪いか

いや何も悪くない。普通の曲だ。とくに難しいことも新しいこともやってない。

ひとえに、周りがこの曲を取り上げてるのが悪い。商売に利用するのが悪い。たちが悪い。人が悪い。かわいそうだ。

誰しも社会へのちょっとした反骨があったじゃないか。それはインディーらしく扱うべきであったのに、メディアに引っ張ってしまうのはもうグロいわ。聖堂でデスメタルを歌わせるような、いわば羞恥プレイの様相を呈している。メディアが取り上げてしまった時点で滑稽になってしまったんだよ。

批評する方も批評する方で、弱者が開き直って歌ってる曲に対して「単に社会を知らん子供がピーピー喚いてるだけじゃん」などという批判をしてもお門違いだ。ただ、普段から色んな曲を聴いてねぇと「こんな曲が流行るなんて」って失望してしまうものなのかもしれないな。

しょうもない大人がいるのが悪い。時と場所を弁えない大人が悪い。メディアに取り上げるなとは言わんが、千本桜とは違う方法で見せないとかわいそうだろう。万人受けするわけない。

◆人を困らせるな

おじさんおばさんにインタビューを仕掛けるな。小学生に聴かせるな。界隈で盛り上がってたらそれでいいじゃないか。他の世代に波及させるな。

◆乗車注意

ものの良し悪しがわからんのであれば、それに関する流行に乗ってダサい目に会うかもしれん。

例えばリュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシが大流行しても、海の生態系について詳しくなければリュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシを海藻とか呼んでしまって恥ずかしい感じになるかもしれん。リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシが他の海藻/海草と比べてどう良いのか悪いのか分らんわけだから、的を外した褒め方をしてしまうかもしれない。昔から海草類に詳しい人からしてみれば「何を今頃」みたいな話だし。

◆そも、どういう曲であるのか

さっきも書いたけども、弱者の曲であるように伺えた。

弱者ってのも「弱い立場」とかそういう甘っちょろいモンではなくて、精神性まで貧弱な絶対弱者。気持ちまで弱いがゆえに、自分が弱いことすら認められないくらい弱い人間。自分の気持ちからも逃亡して全て周りのせいにして在りもしない「(弱さが作り出した)強い自分」を夢想するだけの存在。

「俺はお前らより優れている」という幻想。つまり学校にテロリストが闖入してきたのをステゴロで制圧!とか大手企業に就職して周りの奴らを見返す未来!的な妄想をする中学生。でも現実での努力はできない。自分と同レベルの人間に対して愚痴を言うだけでステップアップしようとしない人生。

クソカス。

社会への反骨を唄う曲が嘗てなかったわけでもなく、尾崎豊だの長渕剛だの甲本ヒロトがいただろう。でも、それらは歌詞が違う。根の強さがある。過去への憧憬と未来への情熱がある。やり場もなく溢れる気持ちがある。

でも「うっせぇわ」が着目したのはもっとリアルな弱者ガチ勢だ。客観ゼロで主観オンリーで悲観悲観&悲観。自分の不快感について不平を言う(言ってない。言う勇気もない。)ばっかで人の気持ちは考えないし人の足引っ張ることしか出来ないゴミ弱者。

こういう曲って普通は自己反省とか客観視が少なからず紛れてしまうものだが、この曲には一切ない。主観しかない。そこが優れている。まぁでもそういう曲も別になかったわけでもない。

そういう立ち位置の曲。だからメディアは取り上げるべきではないと言っている。ひっそりさせてあげることに価値があると思わんかね。

◆結論

知らん。違和感あったからブログ書いたけど、もうどうでもいい。煮るなり焼くなり好きにしろ。