◆まえおき
読むだけ無駄。
◆はじめに
生物は通常、ほかの生物やあるいはその死骸を摂食することによって生命活動を維持している。
食物連鎖の頂点たるワレワレ人類についてはその性質も甚だしいものがあって、「とりあえず食う」ってとこある。
◆人類の敵を喰らう
例えば2009年に日本海に大量発生したエチゼンクラゲ。大きなものでは傘の直系が2mにもなり、水分を含んだ状態だと150kgにもなるんだらしい。でけぇ。
海に大量発生するものだから、まず網を使う漁業に多大な被害を及ぼす。また、海水を熱した蒸気でタービンを回す火力/原子力発電にも悪影響があったんだそうだ。
このニュースを見た我々人類は、ままならない自然に対していつものように畏怖した。んで、畏怖するとともに胸に去来した感情。それは「食えばいいんじゃん?」という直感的なひらめきだっただろう。困ったら食うという解法を当然として行使してきた強さの為せる業よ。
この時点でお前の興味はもう「エチゼンクラゲが食えるのか」に固定されている。だから「エチゼンクラゲは食える」「そんなうまいもんでもないらしい」という情報で充足されてどうでもよくなったりもする。
増えすぎた外来種の魚も捕まえて食うし、毒のある芋でも意味わからんくらい複雑な工程をもってコンニャクに加工したりだとかしている。砂浜にクジラが打ち上げられたらまず「もったいないし食えば?」だし、バナナワニ園のレッサーパンダが直立したり多摩川にアザラシが出没したりなんかした日にはそれを食おうと考えた輩が日夜周囲を徘徊したとかしないとか。
その人類はいまコロナウイルスによって苦しめられているわけだが、それを食おうという発想がないのはどういうことだろうか。旨くないのだろうか。誰か試したのか。
◆捕獲方法
その辺を飛んでいるわけだから、捕まえるのは楽なものだ。視力2.0でも3.0でもちょっと見えないかもしれないが、8万5千くらいあれば目視できる。
あるいは、もっと簡単な方法としてコロナウイルスに感染している人から分けてもらえばいい。ビニール袋を口にあてがって背中をバシバシ叩けばポロポロ出てくる。下図のような感じでもよかろ。
注意点として、コロナウイルスを生食しないことだ。ニュースなってるしわかってると思うけど具合悪くなるから。悪くすると死ぬ。フグと同じで、食用するときは適切な事前処理が必要となる。
◆処理
▼選別
ほかのウイルスや菌類が混ざっているだろうから、それを仕分ける。根気のいる作業だが菜箸で一粒ずつ摘まんで分けるのが確実であろう。
▼水洗い
コロナウイルスをざるにあけて水洗いする。ウイルスが流れ落ちないよう、いちばん目の細かいざるを使うこと。
洗ってればわかるんだけど、コロナウイルスの表面にはスパイクと呼ばれる突起があり、最初は手触りがザラザラしている。「コロナ」という名前の由来にもなった特徴的な性質であるが、食う時は舌触りがわるいんで除去するのがよい。洗っていれば取れてくるので三分くらい流水で研ぐこと。
▼陰干し
洗い終わったコロナウイルスはキッチンペーパーで水けを取り、風通しのいい場所で二晩ほど陰干しする。
つよい風に吹かれると飛んで行ってしまうので、注意すること。
▼焙煎
ウイルスの香ばしさを決定づける大切な工程である。熱したフライパンでコロナウイルスを煎る。
煎りムラが出ないようにこまめにフライパンを揺すること。殻全体に黒く焦げ目がつくまで煎る。
煎り終えたら皿に移し、ひび割れた殻を剥く。
◆調理
よくわかんねぇけど抹茶塩とかマヨネーズとかぶっかけて食う。
◆結論
食えるわけねぇだろ。
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