NHK:アフガニスタンで銃撃された中村哲医師死亡

魚拓

いつか撃たれて死んでしまうのではと心配していたのだが。

死んでほしくなかった。会って握手をし、ありがとうと言いたかった。

俺の世界の希望であり、精神的目標だった人物を失ってしまった。関連記事も読んでいるんだが涙がとまらん。

◆戦争

平和、つまり戦争のないことは何事にも代えがたく幸福だ。だって、平和でなければ撃たれて死んでしまうから。

日本は平和じゃないですか。今。でもその今、世界のありとあらゆる場所で戦争が起きている。それは知っているだろう。

そして、平和な日本で生きている俺たちは、戦争の中で生きている人々の事をどれほど考えているだろうか。

ニュースを見るよね。「ドカン」って大きな音がして、悲鳴が上がる。その爆発では人が死んでいる。銃の「パタタタタ」という音で人が死んでいる。その死んだ人には残された家族がいる。

戦争で傷ついているひと、親を理由なく殺された人、子供を奪われて一生会えなくなった人。

そういうことを思うととても苦しい。

◆中村哲医師

主にアフガニスタンで「平和活動」をしていた人物だ。

戦争のさなかに人を助くため、医師として現地に赴いた。それは何故だろうか。動機は?日本にいればいいじゃないか。日本でも働けるじゃないか。

それはすなわち、中村哲氏が医師であったからだろう。

医師とはなにか。それは、医療によって人を救う人物だ。

なぜ医療で人を救うのか。人が病気で困っているからだ。なぜ困っている人を救わねばならないのか。それは、誰かが困っている状態を許すことなんてできないからだ。困っていない人が困っている人を救うのは当然だからだ。じゃあ誰を一番先に救うべきだろうか。世界で一番困っている人だ。世界で一番困っている人はどこにいる。それは戦火の中にいる。

銃に怯え、暴力に怯え、苦しみ、病に侵され、明日を知れぬ不安の中で生きながらえている。それを、誰かが救わねばならない。誰かが。

それを実行した人物だった。

医師として中東に赴いた彼は、困っている人、救えない人を救うために平和が必要であることに気づいた。平和の為に何が出来るのかを考え、歩き、話し、不毛な土地と貧困とが戦争を加速させていることに気づく。

そして彼はどうしても困っている人を助けたかったので、砂漠に25.5キロメートルの川を通した。

ありえない。

流域は畑になり、何万人もの人の糧となった。戦争に身をやつすことしか出来なかった人が故郷に戻り、畑を耕した。もとあった急流河川は穏やかになった。

◆成功

なんでこんなに成功できたのだろうか。運がよかったのだろうか。

違うだろう。成功のヒケツは、動機が「人を救いたい」という一心だったことだ。人を救うために考えて考えて考え抜いたからだ。失敗できなかったからだ。なぜ失敗できないのか。失敗している間に人が死ぬからだ。

人を助けるために自分の出せる全てを出しているのだから、人が彼を助けてくれる。一緒に悩んでくれる。一緒に汗を流してくれる。どんなに苦しくても逃げ出さない味方を得ることが出来る。

だからその取り組みは成功する。

当たり前にも程がある。

◆俺の安心

俺が心穏やかに生きてこれたのは中村哲医師がいたからだ。世界平和を切に望んでいる俺だが、心が弱いもので、世界平和への働きはしきれない。それにずっと焦燥を感じている。

だけど、彼がいてくれた。彼が世界平和の為に生きていてくれたために、俺に猶予が生まれていた。そしてもう彼は居ない。

世界平和を願い、行動している人物は沢山いるだろう。だが、何より頭がよくなければ世界平和は無し得ない。悲しいことだが。

人を救うためにいくらでも勉強し、足を使い、体を動かせる。そして「何をすべきか」「どう救うべきか」を意識して成すべきことを成した。道半ばではあったが、確かに世界平和の在り方を提示した。

素晴らしい人物だった。

◆死

中村哲医師が死んだのは、彼が彼だったからだ。

何万人を救おうと、どんな賞を貰おうと、常に困窮している人のことを考えていた。何より誰より自分で働いた。だから彼は現地にいた。だから死んだ。日本のオフィスにいたら死なずに済んだはずだ。

幾ら危険な目に遭おうと、幾ら歳を重ねようと、それを理由に逃げ出さなかった。そういう人間だったから人を救うことができたんだと思う。それはわかるんだけど、凶弾に倒れたという最期は、やっぱりやりきれない気持ちがする。

もう書くの疲れた。涙がとまらん。頭がいたい。

ガーっと適当に書いたから読みづらかったかもしれん。すまんな。

彼がいなくなった世界がどうなるんだろうな。

俺は苦しんでいる人の為にどうすればいいんだろう。今考えていることは正しいのだろうか。そういう事を思っている。

NHKの追悼特集(再放送)
2019年12月7日(土) 午後11時00分(60分)
2019年12月12日(木) 午前0時00分(60分)