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BUMP OF CHICKEN「R.I.P.」の歌詞の意味を考察した

歌詞考察、ながらくやってなかったけど久々にする。

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R.I.P.の歌詞はこちらから(間違えてるけど)

※おことわり※

俺の考察なんで、正しい正しくないとかは人それぞれです。この考察を読んだ後に自分でもいろいろ考えてみればいいじゃない。
思うところがあったらコメントしてね。

あと、今回の記事は考察っていうか読み下しに近いよ。

じゃあやっていく。

ダイナモの音 うねる坂道 憧れのギア いじった誰か
ザリ釣り帰り 謎のサーチライト 始まり探し 迷ったら夜

ダイナモ感覚!ダイナモ感覚!

BUMP好きな人にとってはステージライトなんてダイナモで充分だろうけど、一応説明すると「ダイナモ」っていうのはつまり発電機の事だ。「憧れのギア」という表現が続くことから、自転車のライトを点灯するための発電機の事だろう。

今はどうか知らんが昔の自転車のダイナモは結構うるせぇ。重いし。

この歌詞は一体何を表現してるのだろうか。
歌詞を読み進めれば解るが、これはつまり少年時代の思い出話であり、それ以上でも以下でもない。なぜ思い出話をしているかというと、現在との対比をするためだ。

COSMONAUT全体に言えることなんだけど、情景を想像してね。
ここで想像できることを列挙する。

  • 元々ギアのない自転車を持っていて、友達はギア付きの自転車を持っていた。それがカッコいいと思っていた。そして遂にギア付きの自転車を買ってもらうことが出来た。
  • その自転車でザリガニ釣りに行った。遊んでいるうちに辺りは薄暗くなってくる。帰り道は暗いが、買ってもらった自転車にはダイナモがついていてライトを点けることができる。うれしい。誇らしい。
  • 誰かが自分のギアを勝手にいじっていたため、「いつもの乗り心地」「いつもの数字」ではなくなっていた。「誰かが勝手にいじったんだな」と思った。「誰か勝手に乗っただろ!」と怒るほどでもないけど、買ってもらった憧れの自転車に勝手に乗られたという事実がある。
  • 家路の途中、どこからか光が伸びているのを見つけた。「あの光はどこから来ているんだろう」と思い、その始まりを探していたら夜になってしまった。

うん。なんか…なんか良くない?ノスタルジアここに極まれりというか。俺はこの経験をしたことはないが、容易に感情を推察することが出来る。懐かしいと思うことすらできる。

不思議が忘れるくらいあった そのいくつかの魔法はもう解けてしまった

少年時代に不思議に思っていたことが、一つや二つではなかった。その中のいくつかはもう不思議ではなくなってしまった。

例えば「謎のサーチライト」も発電施設の警備用のものだったかもしれない。

長靴は嫌い 傘は大好き 重ねたらほら これ秘密基地

長靴は歩きづらくて嫌い。でも、同じ雨具でも傘は好きだった。傘を重ねて「秘密基地」すなわち「自分だけの場所」を作ったことがあるから。

秘密基地といっても手間のかかったものではなく、家の中でのごっこ遊びだったかもしれない。

自転車置き場 会いに通った 尻尾の生えた内緒の友達

自転車置き場に猫やら犬がいて、大人に秘密にしたまま会いに通っていた。親に話してもいいんだけど、秘密にしておくのが楽しかった。

「内緒の友達」は猫かなぁと思う。「尻尾の生えた」って表現がなんとなく犬的じゃないような気がする。犬のしっぽはニョロニョロしないし。あと「内緒の」だから野良で、野良犬よりも野良猫のほうが遭遇率高い。

言えない事が今よりもあった 寂しいのは失くしたからじゃない

言えない事、楽しい秘密が今よりもあった。そのことを思うと寂しい気持ちになる。でも、それはその秘密を失くしたからじゃない。わくわくする秘密を持てなくなったことが寂しい。

そこに君が居なかった事 分かち合えない遠い日の事
こんな当然を思うだけで すぐに景色が滲むよ

難しい。「君」ってなんだ。
他人、というか「自分でない物」なんだとしたら、ちょっと歌詞の主題がブレていっている感覚がする。だけど「自分関連の何か」とは思いづらい。自分は自分だもの。だから他人で進めていく。

考え付くのは「友達」「伴侶」「自分の子供」とかだろうか。歌詞を読むに「伴侶」が一番しっくりくるような気がするが。ってか藤原基央って結婚してんのかな。

「伴侶」だとしても、俺個人の趣向からしてみれば他人をこの曲に絡めてほしくなかったな。登場させる必然性を感じないし「宇宙飛行士への手紙」とか「66号線」で近しいテーマやっちゃってんじゃん。俺の歌詞の読みが甘いのだろうか。

まぁいいや。つまり、何でもないけど嬉しいような時間を君と共有出来ない事がとても寂しい。話すだけじゃ伝わらないニュアンスもそうだし、一緒にいること自体が価値だ。

「景色が滲む」は涙目になることを表現している。

体温計で ズルして早退 下足箱に斜陽 溜め息ひとつ

すごい歌詞。本当にすごい。俺のこと見てたのか?ってレベルの歌詞。

学校が何となく面倒で、ズルして早退した。他の教室では普通に授業をしていて、家に帰れるのは嬉しいし、嘘がバレなかった事も達成感がある。普段通りじゃない状態にワクワクもしている。だけど、心に罪の意識が少なからずある。「やめときゃよかったかな」くらいのことも思ってる。

エモすぎる。

母の日の朝 父さんとシャベルで 尻尾の付いた友達の墓

内緒の友達が死んでしまって、その「友達」をどうすればいいのかも子供のころの自分にはわからなかった。でもとにかく悲しくて、悲しんでいるから親に心配される。

秘密だったんだけども、どうしてあげればいいのかわからない。悲しい。だから友達の事を話す。そして、父さんとお墓を作ってあげることになった。

「母の日の朝」っていうのは、あんまし意味はない。母の日だっただけ。それだけなんだけど、「友達の死んだ日」っていう印象は「母の日」と関連付けられる。母の日を迎えるたびに尻尾の生えた友達のことを思い出す。
特別なことがあった日っていうのは世界が違って見える。

すごい歌詞だ。「父さん」の気持ちすらわかる。優しい子供に育ってくれて嬉しいだろうさ。

「尻尾の生えた」から「尻尾の付いた」へと表現が変化している。これは

  • 「生えた」のほうが生きている感がある
  • 同じ文言を繰り返したくない

という理由からだろう。

「同じフレーズが繰り返される」ならいいけど「同じ文言が繰り返される」のは違和感になる。文章でもそうだね。

書き方ができる人コム:同じ言葉、同じ言い回しを避ける

悲しいことは宝物になった
君もきっと そりゃもう沢山持ってるでしょう

ひたすら純粋に悲しく、されど暖かくもあるような出来事は、今は得難いものになった。

「君」も今までの人生でそういう宝物を沢山得てきたんだろう。

そこに僕が居なかった事 今は側に居られる事
こんな当然を思うだけで 世界中が輝くよ

そこに僕が居られなかったことは悲しい。でも、今は側に居られる。これから、君と一緒の宝物を得ることが出来る。

同じもの見られたら それだけでいい
同じ気持ちじゃなくても それだけでいい

「一緒に居られるだけでいい」「君と別れたくない」ってわけではなくて、同じものを見られたらそれだけでいい。

君は君のままで素晴らしい。僕と違うから素晴らしい。だから、同じ気持ちじゃなくて君だけの気持ちがあってくれればいい。だけど、その「気持ちが揺れる瞬間」を一緒に過ごしたい。

変わっていくのなら 全て見ておきたい
居なくなるのなら 居た事を知りたい

例えば「変わらない君のままでいて」みたいな歌があるけど、そんなん違う。君が変わっていくことを僕は止めない。だけど、君がどんな人生を歩み、どう変わっていくのかを見ておきたい。

「ずっと一緒にいて」とも言わない。居なくなるんだとしたら「ここに居た」ということを知りたい。

「居た事を知りたい」っていうのは、一緒にいるんだから「知りたい」どころか既に知っている状態ではあるんだけど、「一緒に居なかった可能性」の立場から「知りたい」と言っている。

難しいな。
例えば「君」と一生出会わない状態で君が死んでしまった場合、何も知ることが出来ない。当然だ。そして、その立場から君が「居た」事を知りたい。と言っている。出会ってすらいないんだから一緒に居ないわけで、だから過去形の「居た」になっている。

ここに誰が居たかっただろう それが僕にもなり得る事
こんな当然を思うだけで 今がこれ程愛しいんだよ 怖いんだよ

君のそばにいることが幸せだ。だけど、この世界で君に出会えたってことは奇跡的な確率だろう。僕じゃない誰かが僕の立場だったのかもしれない。

君のことを知らない僕は「そこに居たかった」と思うだろう。本来は君のことを知らないわけだから思えないんだけどね。

君と居られる今がこれ程愛おしい。だけど、奇跡的に出会えただけに過ぎない。出会えなかった事を思うと怖い。

アドバルーンの下 催事場のヒーロー 光化学スモッグ 手を引かれた野球帽
地球で一番 幸せだと思った あの日の僕に 君を見せたい

また思い出。
デパートの催事場で開催されたヒーローショーに行った時の事。自分は野球帽をかぶっていて、街には光化学スモッグが差している。

これ以上なく幸せだった。
だけど、「君と居られる今」はもっと幸せだ。それを「あの日の僕」に自慢したいような気持ちだ。

はしゃいでいる自分を俯瞰的に見ているような不思議な表現だな。

結論

いいとこもあるんだけど、あんまり纏まってない曲だなと思った。読みづらいから考察したわけではあるが、その作業も他の曲に比べてそんなに楽しくなかったね。いままで考察してきた他のBUMP曲のクオリティが高すぎた。

あと、改めて思ったのはテーマ被りが酷いな。この曲はもうちょっと時間使って別の方向性で固めて頂きたかった。

そんな感じ。なんかごめん。

タイトルの「R.I.P」は…友達の墓の事だろうか。違う気がするんだけど。
R.I.Pの通常の意味としては「Rest In Peace」…じゃなくて

ラテン語の「requiescat in pace」

らしい。へぇ。
和訳すると「安らかにねむれ」ですね。墓石にR.I.Pと刻まれたりするらしい。

猫に言っているのか自分の思い出について言っているのかなんなのか。わからんね。

「requies」だけで「休養」になるらしい。requies/cat in pace って読み方が出来なくもないな。こじつけ甚だしいが。「cat」だけ英語だし。

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4件のコメント

  1. 匿名

    この曲のRest In Peaceは、「実際はそうじゃなかったけどもしかしたらありえたかもしれない、ifの世界」へ向けてのものだと考えると考察が楽しくなるかもしれません。「君」についても同様に、「もしかしたら存在していたかもしれない別の自分」と解釈することができる……はずです。

  2. 匿名

    散文的な表現なので解釈難しいと思いますが私は以下のように捉えています
    というかMotoo君歌詞の中で猫56しすぎやろ

    > そこに君が居なかった事 分かち合えない遠い日の事
    > こんな当然を思うだけで すぐに景色が滲むよ
    ストレートに読むと会いに通っていた猫が居なかった(亡くなった日?)
    遠い未来のことはもう分かち合う事ができないことが悲しくて涙が出てくるよ

    > 体温計で ズルして早退 下足箱に斜陽 溜め息ひとつ
    > 母の日の朝 父さんとシャベルで 尻尾の付いた友達の墓
    それからというもの、学校を早退して父と作ってあげた友達の墓に通っている様子
    ため息から未だ受け入れられてない悲しい情景が浮かんできます

    > そこに僕が居なかった事 今は側に居られる事
    > こんな当然を思うだけで 世界中が輝くよ
    亡くなったときに僕が居てあげられなかったことを後悔しているが、今は墓の側にいてあげることができるんだと
    “悲しいことは宝物になった”からもう受け入れることができたのか

    > ここに誰が居たかっただろう それが僕にもなり得る事
    > こんな当然を思うだけで 今がこれ程愛しいんだよ 怖いんだよ
    コ↑コ↓=墓、僕も将来そうなる事を理解してしまった
    子供なりに死というものに触れて今が愛しく、そしてそれが壊れることがあることを知り怖くなっている

    > アドバルーンの下 催事場のヒーロー 光化学スモッグ 手を引かれた野球帽
    > 地球で一番 幸せだと思った あの日の僕に 君を見せたい
    友達の死を経験した僕が、「アドバルーンの下(中略)手を引かれた野球帽を被った当時地球で一番幸せだと思っていたあの日の僕」に君との将来の経験(=素晴らしいもの)があるんだよと最後にはまとめている

    • メガネ

      (二重になってたんでかぶっていた部分を勝手に削った。不本意ならもう一度投稿すべし。)

      • 匿名

        デキる男は違うぜ
        最近日々楽しみに読んでるので毎秒記事投稿お願いします。

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