自分の知ってる中では三回くらいメディア露出してる、津軽弁の標語看板がある。

それが「うぬうぬど けんどわだれば ひがれるろ」である。

画像は載せない。ページの読み込み遅くなっからね。リンク踏んで見てみてみてみてくれ。

で、津軽衆としては「他県民からどんなふうに思われてんのかな」と気になるから検索かけるんだけど、そんなにちゃんと解説してる記事が無い。だから、する。
ついでに、話題になった他の津軽弁の話もする。

◆うぬうぬど けんどわだれば ひがれるろ

うん。ネイティブ感がすごい。し、標語としても面白い。
直訳すると「急いで道路を渡ると轢かれてしまうぞ」といった意味である。
これを津軽弁に再翻訳すると

(そたら)うぬうぬて けんどわだればだっきゃ な 轢がれてまるずろぉー↑

になる。と思う。
子供が道路を不注意に渡ろうとしているのを、そばにいた大人が注意する場面だろう。

個々の単語は

●そ(っ)たら ⇒ そんなに
●うぬうぬて ⇒ 急いで、焦って、周りを顧みずに
●けんど ⇒ 道路
●~ばだっきゃ ⇒ ~すれば
●な ⇒ あなた
●まる ⇒ ~してしまう
●ろぉー↑ ⇒ ろぉー↑

といった意味。分かりやすいように半角スペースを入れたが、ほぼ息継ぎは無いのでその辺の人に叫ぶときは注意すること。
「な」は「な」と「なっ」の間くらいの伸ばし具合。

◆なだだば

「君の名は」を方言に直すとどうなるか。津軽弁は「なだだば」になった。

これは、ニュアンスが違う。
「だだば」は「誰ですか」であり、姿が見えない相手だとか、急に現れた相手に使用する。
あと、「君の名は」って「君の名は?」じゃないような気がする。見たことないから知らんけど。

てか秒速5センチメートルが金払ったの後悔するくらいアホな映画だったから、「君(略)」を劇場で見たくなかったんだよ。1章はすげー良かったのに何で最後の章スッカスカになった。

まぁいいや。

ちなみにいうと「だだば」は丁寧に発音すると「だぃだば」になる。もっと丁寧に発音すると「だれだば」。
「ば」は言葉のリズムをとるためについたものであるから、「だだ」あるいは「だだね」でも通じる。

「君の名は」を正確に津軽弁にしたのなら

君の名は ⇒ なのなめは(なのなめァ)(なのなめだっきゃ)

君の名前は何ですか ⇒ ななめなてすず

になる。と思う。
各単語は以下の通り。

●な ⇒ あなた
●なめ ⇒ 名前
●な(ん)て ⇒ なんて
●す(ん)ず ⇒ するのですか?

「ななめなてすず?」と喋るとそれが伝わってしまうんだから恐ろしい。呪文にしか聞こえんだろ。
ただし、イントネーションが違うと伝わらないだろうな。

全然関係ないけど、「君」が「な」になると、こういうことになるという例を示す。

(これ)君の? ⇒ なぁの?

君なの? ⇒ なな?

君か ⇒ なな

へえ、あんたもナナっていうんだ ⇒ わいー、なもなななんずな

◆ふらいんぐうぃっち

ご存知青森県は津軽地方が舞台の、日常系魔法漫画である。なんとなく「よつばと!」っぽいなと思っていることは秘密だ。

1巻試し読み
アニメ1話目

で、主人公の女の子が、居候先で世話さなってあるトッチャさ「畑を作りたいのですが、いい場所はありませんか」て聞だっきゃ、津軽コトバでこう喋らいだ。

えのうらさある はだげっとば つかえばい
くさおがってまってらはんで なんぼがとろけねばまいけど
あそごだばいびょん

こやさくわとかシャベルあるはんで そればもつかっていいはんで
じぎもわんずかばし あるはんで それまげばい

うん。まあ・・・良いと思う。これをまず現代語訳する。

家の裏にある 畑を 使えばよいでしょう
雑草が育ってしまっているので ちょっと除去しなければいけませんが
あそこならよいでしょう

小屋に鍬やシャベルがあるので それも使っていいし
肥料も少しあるから それをまけばいいでしょう

これを再翻訳する

かぐじさ はだげっとば あるはんで そごばつがえばいびょん
草コァおがてまてらはんで なんぼがとろけてけねばまいンだばて
あこだばえがべし

小屋さ鍬だづシャベルだづあるはんで そいンどもつがっていし
づぎもわんつかばし あるはんで ふてければいびょん

うん。わもネイティブではねぇはんであんつか時間かがてまたじゃ。

こんな感じじゃね?どう?合ってる?
アニメでもこのシーンあったけど、ちょっと発音ちがく感じたかな?地域差か?

セリフ自体に何となく違和感を感じる。ケレン味あじ)つけるためにセリフを長くしたんだろうけど、ここまでつらつらと一人でしゃべらんだろうな。それはまぁ演出ってことで。

◆セバダバヤッテミラ

「ワノカデパン、シケルメニナベサフォンデュセバ、ウダデグメヨ。」
「セバダバヤッテミラ。」

トヨタのパッソのCMで津軽弁が使われていた。

意図的に発音をフランス語風にしているから、イントネーションは言いっこなし。そんなに逸脱しているわけでもない。
セリフも完璧だと思う。違和感なし。すき。
「鍋さフォンデュする」っていうのが超それっぽい。

一応翻訳しておく。

「私の堅いパン、湿気ってしまう前に(鍋で)フォンデュにすると、とってもおいしいですよ。」
「そうなんだ、じゃあやってみようか」

結論

悲しいことだけど、津軽弁は消えていってしまっていると思う。
俺もそんなうまく喋れないし。
だから、残るにせよ消えるにせよ、津軽弁は確かに存在したってことを忘れないでいたいですよね。

何てことない話であっても、津軽弁で聞くと笑けてしまう話もある。また、津軽弁は「おちょくってもセーフ」感がある。皮肉をうまく混ぜて話すとか、その皮肉に言い返すだとか、ジョークを話すのに向いている言語だったりする。津軽弁じゃないとそもそも成り立たない話なんてのもある。
まるめろ」っていう有名な詩集があるんだけど、標準語じゃどうにも伝わらん空気感を持っている。
「津軽弁の事がすきだったんだよ!(大告女特)」って胸を張って言いたいですよね。

あと、津軽弁の日が今年で一回終わるらしいぜ(激震)
どんだんず~

ニコニコとかに津軽弁の日の動画あがってるから、検索してみればいいよ。翻訳ないと意味わからんだろうが、たぶん津軽衆がコメントしてくれているだろ。津軽衆はあなたの隣にいるかもしれない・・・

へばの!