上司は部下に奢るもんである。先輩は後輩に奢るもんである。男は女に奢るもんである…のか?

◆奢られ

上司が部下に奢るのは当然。できて当然。だが、部下はポーズとして畏まるべきである。ありがたがるべきだし、俺も払いますよくらい言っておくべき。

奢ってくれない上司がいたとしても、それを責めたり、違和感覚えたりするのは違う。財布事情は人それぞれなのだから。けち臭い人間にも、けち臭いなりの背景がある。例えば家庭を持ってる人は、月のお小遣いという概念があるかもしれん。

「上司が部下に奢るのは当然」であるが、それよりも先ず「自分が消費したものに対して支払いするのは当然」の当然レベルが一番高い。だから「奢ってくれなかった」って思うのは違う。

奢られようとするのは違う。「金ないので…」とか言って断ろうとするのも奢られようとするのも筋が悪い。頻繁に誘うくせに奢ってくれない人がいたらそれは「金がないので」って言ってしまってもよかろう。頻繁に誘ってくるやつって大抵なんかおかしいし。

奢られるときは、財布から金を出してるところを眺めてはいけない。レジ会計であった場合は先に店から出ること。ごちそうさまでしたということ。帰った後でチャットツールかなんかでお礼を言う…かどうかは相手をみて考えろ。飲みの場の雰囲気で考えろ。相手が「ありがたいお話をしたい人」だったのか「食って話して笑いたかった人」だったのか。

▼奢ってくれるからではないよ

奢ってくれる上司だから付き合ってるのだとか、そう思われるのは心外だよね。利があるから付き合ってるとは思われたくない。俺はお前ら各々がお前らだから飲みに付き合ってんです。だからたまに「これうまいんですよ」とか言って菓子とか買って持っていったりするのだよ。それも借りを返したいからとかじゃなくてな。

◆奢り

先輩は後輩に奢るもんである。とはいえ全額じゃなくていいし、ちょっとくらい払わせたほうが相手も落ち着くものだ。普通の神経してる後輩なら。

「全額奢りじゃないんすか」とか煽られたら「全額奢りだけど、俺の説教代が1000円かかる」とか言えばいい。

▼稼いでない友達に奢ること

この話をしたい。

奢るってのは、優劣とか上下関係を彷彿とさせるものだ。だから稼いでない小中高の友人に奢るのも気を遣うだろう。そういうときどうすればいいのか。

それは「は?俺より稼いでからモノを言えよ低所得者」「俺の財布の心配するとか何様なの?」「悔しいなら俺より所得税払って見せろ」と言えばいい。

だって、稼げてない相手を気遣ってやっすい居酒屋に行くのなんて寂しい話だ。せっかく会ったのだから。良いもんを食って、後腐れなく、「良かったね。美味しかったね。」ってしたいじゃないか?

ただ、「5000円くらいなんでもないわ」とか具体的に言ってはいけない。「~円くらい」はダメでしょう。ダメだし、私生活の自慢っぽいことは話すなよ。相手に「~してみれば?」とか訳知り顔で言うなよ。

相手のしてることを興味深く聞いて、「~できるんじゃねぇのか」って言い方をしろな。やる気を盛り上げてやれ。元からやる気があるんならそれを(頼られない程度に)手助けしてやれ。そして奢れ。

無論、男女混合の飲み会では男友達に奢っちゃダメだぞ。メンツというものがあるのだから。小規模な、野郎だけの飲み会では奢れ。あと男女混合だった時も、自分が払えるからって見栄張って男の払い分を増やしすぎるのもダメ。

▼男が女に奢ること

別に奢ったっても構わんが、奢られたがってる女もそんな見かけなくない?いや、俺に借りを作るとヤバそうだからとか?

というので、「返せるあてのある借りをあえて作る」という関係構築法があるということを言っておきたい。誰に向けてかは知らんが。っていうかもう最近だと飯食い行くかってのすら感覚的にはセクハラになるんじゃなかろうか。

だから女性に奢るというのも今や難しい。背後に性欲が絡んでる可能性を勝手に考慮されたくない。性欲自体は爆発的かつ理解不能なくらいあるんだけど、普通に飲み食いしてるだけなら頭の片隅にもないわ。

奢る(というか人にものを食わす)のが好きではあるが、異性に対してはそういう「面倒なうえにメリットない考え事」が発生する。個人的には単に誰でもいいから話しながら飲み食いできりゃいいんだけど、奢れるのは男ばっかだよな。男女関係って背後を知らないと面倒くさいことに巻き込まれたりするわけだし、俺は生臭い駆け引きを一切したくない。いらない。御免被る。

「あれこの会ってそういうものだったの」ってなるじゃん。何が目的にせよ飲み食いしたいし話したいから断らんので、俺を誘うなら「どういう会です」というところだけハッキリさせろよ。俺はそれに沿ったムーブをするから。

◆結

知らない人と飲みに行くのってどうするんだろう。全く接点ない人と単に飲みに行く仕組みとかあったら使ってみたい。「接点がない」という前提があったら気まずくなることもないだろうし、金のない汚いオッサンと酒飲むのも楽しそう。体験自体に価値を感じるので奢るのも構わない。