◆観てないけど、観たほうがいい?
いや、観なくていいとは思う。作品が悪いとも言い切れないが、観る必要があるかといえば無い。有意義かと問われれて、有か無のゼロイチで答えるなら無意義。人生の糧にはならない。
アニメーター見本市とか好きな人なら観てもいいかもね。
とはいえ、普通に古典とか漁ったら?なんか作品を作りたい人にしても、これを目指すのは違うと思う。となりのトトロとかそういう、意義を持つ作品を作るべきでは。栄養のある作品。
◆余談:「あの花」
あれはマジにつまんなかった。時間返して。殺すぞ。
「面白いか!?どうだ!?面白いのか!?まだわからないぞ!?」「う~んどうだ!?まだワンチャンあるぞ!?」「はいつまらないクソアニメでした~」ってされてもう酷かった。
◆どうだったか
うん。まぁそんなに。ただ、映画館に観に行ってたらキレてたと思う。でも作品自体はそこまで叩けない。どうあるべきかとか何をしてはいけないかを意識していたように伺えたから。ただ、ひたすらツメがあまいし、無意味だった。それでいうと「君の名は」にはまだ意味みたいなのを感じた。ブレずに主題を描き切っていたから。
人間の症状として話せないということはあるし、話すとお腹痛くなるってのもある。歌うと話せるっていうのもありうる。根本にリアリティが無いとは思わん。
青春の感じもある。
素直に観きれないのは、やっぱ都合が滲んだところ。舞台のカッコよさとか世界設定が「ねーよ」という感じで違和感だった。人間関係を表現するために言葉でサッとやろうとしたのも嫌です。テンポを御しきれていないのも。尺の配分がなんか違ったような。
痛さがちょっと観てられなかったのもあった。青春の感じの甘酸っぱさは「ひゃー///」って観ていられる。でも所作が痛いのは「ふぅぅん///」ってなる。観てられなかった。痛い。あざとい表現も痛い。
あと成瀬、意外と喋るね?演出的には成瀬の声を切り札にできたんだから、ここぞの場面でやれや。漏らしちゃ駄目だろ。そんな簡単だとエクスタシーがない。もっと黙らせておいたほうが良いと思った。いやでもミュージカルにしちゃったからな…。しゃあないか。しかし喋らないひとからあんなアニメ声でるかね。うん。いや、しゃあないのはわかるけど。でも突き詰めればそれも脚本の判断ミスですからね。
性格悪いやつもいるんだけど、範囲内ではある。病んだりしてんのもまぁ。もうちょっと最初から病んでたほうがわかりやすい気がするけど。あと、主人公(たち)の描写が足りてない。何を考えていたんだか、最後まで感情移入できなかった。それは登場人物全員に言える。だから誰がどうなろうと、例えば死んでしまっても「そう…」ってなもんで別に何も思えないだろう。
成瀬の本音いうところも、ちょっと本音の質が悪かった。他者の人間性に対する洞察が浅い。し、感情の高ぶりの根拠みたいなのが薄くて、時間も足りなくて感情移入が間に合わなかった。作っている方からしてみたら長い時間接しているんでわからんのかね。ってか、「好き」ってなって、それをああするのはどうだろ。そういうもの?
あ、ラストの丸く収めようとしたのはすげぇキモかったわ。すべてのマンコにチンコが収まるようにってのはなんていうか、うまい表現が見つからないんでもっかい言うけどすげぇキモかったわ。時間使って丁寧に進めればよかったものを、ああいうふうにサクサクってしたらキモい。脚本家の丸く収め方(まるくおさめほう)はサイコパス感匂ってるぞ。
言いづらいことを言うときの、すぐ言うのもヤダ。すぐ言うー(ダイアン津田)。言うまでの「言いづれーー!」をねっちょり表現しないともったいなくない。「あ、すぐ言うー」って思った。会話の間が詰まっちゃってるとこもある。サッカーで例えるなら、常にボールを追ってるような感じ。コートを広く使えばいいのに。
野球部もどうなったん?必要?時間的に群像劇にできないのもわかるけども、なんかやっぱブレたわ。時間的に書ききれないもの書くってそれリソースの無駄遣いだぞ。シナリオ洗い出した後に「削る会」みたいなの必要だったんじゃないの?
心が簡単なのももったいない。みんな物分り良すぎる。高校生は大体ノリで動くってのはあるけど、そういうとこじゃなくてもっと深いとこ。キャラ設定に縛られている感じした。キャラクターの設定じゃなく、性格とか人生模様で縛るべきでは。
舞台も生かしきれてない。卵が露骨だったわりに比喩が単純すぎ。深みがない。世界に引き込まれない。成瀬が卵をイメージした理由もわからない。あの本音を入れる卵、画面に登場しても特に何も思えない。丸々カットしても問題ないような。舞台装置としても不要じゃない?無駄は全部削るべきだと思うぞ。美しいものって普通、無駄を削ったときにできるものじゃん。
ギャグはなかったね。そのせいで間延びしたけど、スベるより5000倍マシだからいいと思う。
◆
何が足りてなかったって、エクスタシーが足りていなかった。ロジックと運命が絡んでハマって「ガヂュ」ってなって涙が出てくるやつ。最後歌うとこで「天使にラブソングを2」が連想された(客席に親がいるとこ)んだが、アレで言えば前奏で歌えないところでもう泣くし、歌い始めたところの感情複雑すぎて泣くし、盛り上がってすげぇ笑顔で良かったって思って泣くし。でも泣かせには行っていない。
演出ゼロだし真顔だし、でも泣ける。ひたすら真実味がある/人生を感じるってだけで泣かされるんです。
キャラクターの感情を揺さぶれば、観てる側の感情も揺さぶられるだろう。そこにうまく演出(トリック)を入れるのが正道。でも、演出とか脚本家が書きたいものでやろうとしたせいでキャラクターの感情が記号的すぎました。自然な感情の発露がない。
どっかからか拾ってきたキャラクター性と、わかりやすく目を引く設定を、継いで接いでひとつ物語を仕立てただけ。ソウルが無い。なんかのコンクールで入賞できるとは思えない。やってることがライトノベルどまりなんだよ。
だからいちいち観るこたねぇよと、そう言っている。
むしろ身の毛もよだつほどつまらない/キショイ映画のほうがいいのかもしれない。だから次はクッソ評判悪い「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」をみるかなと思う。いつになるかわからんけど。
以上。
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