情報が人生の質を決めるんだが、なんかお前、そうとも思っていないように伺える。

「時と場所」「肉体」「情報」。これが人生を決定づける。損なうと死んだり病んだり。

◆情報とは

情報とは何かという問いに、ただひとつの答えを与えることは困難である。

情報 – wikipedia

そっすね。うん。

個人のレベルで言えば、情報を得ることでお前は「知っている」状態になる。それが…つまり「知れること」がとりあえず情報。

「知っている」ということは、どれほどの価値をテメーの人生にもたらすんでしたっけ。

◆情報の種類

本に書かれていることだけが「情報」ではない。記憶だけが情報ではない。A地点からB地点に伝達できる物事すべてが情報。

「伝達」とは(略

この距離のグラフにさらに「時間」という軸を(略

※伝達には精度があって、おおむね情報の落ちが発生する。

何を言ってるのかっていえば、まず「五感」が情報だな。視覚、聴覚、味覚、触覚、あと嗅覚。それぞれの感覚器官から電気信号でもって脳まで。

感覚は情報なんだけども、さらに情報が上乗せされることで情報の質が変わることになる。つまり、脳で処理される信号(情報)が他の情報と連携してその強度を変える。

自分でチンチンを触るのとまったく同じ刺激を、他者、こと女性から与えられたとき、絶頂に至るまでの時間が変化する。そうでしょ?

◆シナプス

情報は他の情報により加速する。

さっきも言ったけど例えば額に入れた絵が綺麗に見えたり高級な皿に盛った料理をおいしく感じたり。

また、新しい情報の意味を変えるものは過去に得た情報だったりもする。過去に得た情報、それすなわち記憶。記憶を持っていないと「楽しいことが楽しいとワカラナイ」なんてことにもなり得る。

俳句の歴史を解さない人に自由律俳句を読ませても「いやテンポわるw」で済まされてしまうだろうし、幼稚園児に人間失格を読み聞かせても、感じるところなんて無いだろう。もっと露骨に説明すると、日本語を知らない人に日本語でジョーク言っても伝わんない。

それは、情報を持っていないから。

日常生活では、もっと分かりにくく細かい粒度でその「情報を持っていないから」が俺たちを苛んでいる。

思いやりを解するための記憶がなければ、思いやりに感じ入るためのシナプスが形成されていなければ思いやりを見逃す。思いやりを見逃すとどうなるか。思いやりのない人間と思いやりのある人間の区別がつかなくなる。区別がつかなければどうなるか。付き合うべき人間を違える。人生が変になる。

知らないから世界は色あせているし、知らないから何もかもがひどく無意味に思える。何をすればいいのか見失う。

◆情報で人生がどう変わるか

知らねぇということは結構やばい。幸福を損なう。俺は、自分の人生の意味を幸福だと思っている。それを損なっちゃうんです。

一番単純なところでいえばドクツルタケをムシャるとか、雑な生レバー食って死ぬとか、乳児にハチミツ食わせてボツリヌス症なるとか、そういうところ。

もっと広い視点からみてみれば、人生を形作ってんのは選択である。選択するときはそれなりの情報を備えていないといかん。選択肢を発見することと、リスクとリターンの計算をすること。

たとえば、選択肢の情報がなければ選択しないままに過ごすことになる。流されて選択することになる。それでも運が良ければそれなりの人生として終えることもできるが、例えば飯食ってクソするだけで一生を終えることにもなり得る。

情報がないと窮状から脱却できなくなるのだ。窮状が自分の全てになる。だから例えば自殺することになる。逆に、ちょっとすれば大きな幸福を得られるのに気づかないまま生きることになる。

みじめで不幸で寂しい人生を送らなければならない理由はなんだったのか。金がないから?むしろ借金があるから?学がないから?年をくってしまったから?頭が悪いから?人づきあいが苦手だから?

違うんですよね。何もかもお前が適切な情報を持っていないからだ。お前が必要としている情報、お前の人生を変える情報がこの世界にはある。それに気づいてないし、その重要性にもなぜだかさほど興味を持っていない。

んでリスクとリターンの計算っていうのは、つまり選択の結果行き着く先の総幸福量を見積もる/見誤るということ。あるいは費やすパワーを見誤ること。

例えば、転職する気がない人、ある程度で転職する人、転職にこそ力を注ぐ人。彼らはどうなるだろうか。

まず、ひとつの職場しか体験しないのは人間の弾力性が失われる。狭い知見と少ない手札で綱渡りの人生を歩むことになる。だからちょっと蹴飛ばされただけで人生が暗転してしまう。逆に転職のことばっか考えて仕事の面白さを追求しようとしなければ、なんの発見もなく何の思いも芽生えずに時間と金の交換ゲームをすることになる。

何が必要だったんだっけ。それは情報です。大切なものを取りこぼしてはいけないし、些事に拘泥してはならん。バランス感覚の欠如は、幸福を計算できるだけの情報をもっていないから。あとは、幸福を計算しないと幸福を損なうということを知らなかったから。

「得られたはず幸福」の大切さ、尊さ、かけがえのなさ、輝きを「え、今のままでいいじゃん。俺は何も不自由してない。」とかヘラヘラしながらボンヤリとスルーしてしまう悲しさよ。

得られるものが金であったら分かりやすく説得されるんだけど、幸福という観点では説得されないし寧ろ「俺の幸福とお前の幸福は違う」とか開き直ってくるような輩もいる。いや、そうなんだけど、それはもっと後の段階の話であってだな。お前はまず土俵にすら立てていないんだよ。

◆情報をつなぐ能力

総情報量がカギであって、そこから発展してさらに情報を扱うのがうまい人とそうでない人がいる。「情報をつなぐ能力」が重要になってきます。

個別に浮いている情報をタテヨコナナメに繋ぎこんで新しい一つの…なんだろう。センスというか知恵というか、そんな感じのアレを組み立てなければならん。

人は知っていることについては適切に処理できる。同じように、「過去に体験したのと似たような状況」をアドリブでさばく能力もある。Aという情報をAにしか適用できないのが所謂バカという人種だっただろう。

AができたときにA’も処理できれば素敵だし、AとBを処理した経験からCを処理できればなおよい。さばくためには気づく能力が必要ですね。情報と情報の関連性に気付き、似たパターンを処理する能力だ。

バカのまずいところは、自分の体験した苦痛を他人に与えることだったりする。自分が嫌な思いしたことを、似たような状況から引き出して利用できない。あるいは、得られたパターンを不適切に利用する。バカの一つ覚えというやつだ。

人生の話だけじゃなくて、何かを楽しむときもそう。物語を見るときは、無意識下で自分の過去の似た経験を引き出すものだ。その引き出す能力が弱いと何も感じられない。情報を発掘できない。意味を見いだせない。

他にはたとえば、表情を読むこと。人の表情の細かい変化を記憶として蓄積しておけば、それを引き出して表情を読み取ることができる。隠し事に気づくことができる。嬉しがりに気づくことができる。

日常生活で遭遇するパターンを見ることで世界の見方が変わる。コントや漫才の面白さがわからない人種には、パターンを持っていない人間がいる。パターンを逸脱するという不快が目の前で展開されてもユーモアを感じることができないのです。つながらない。

◆情報じゃないものごと

例えば、人間の肉体も情報ではなかったか。物理的な構造を完全に解析し、その情報を伝達して遠隔地で組みなおすことでテレポーテーションすることは可能じゃん?

という発想は、今主流の理論体系では無理ってことになっている。ラプラスの悪魔っていう思考実験があって、それは不確定性原理によって(略

あと、「情報が遮断される」とかいうけど、情報が遮断されるだとか情報が得られないことも情報だったりする。ふっしぎぃ。

◆成長

人間的成長とは、情報を得ることです。技術とは情報を持っていることです。

成長したい人はなんにせよ情報を得ねばならん。情報を得ることそのものを幸福と思えることもある。

情報って言ってるけど、知識のことじゃない。物知り博士が人間的に成熟してるってことじゃないよ。知識としての情報は技術に紐づく。

人格とか感情なんてものは、九割記憶で構成されている。ごめんテキトーなこと言った。でも体感としてそんなもんだと思う。歯止めの利かない感情とかあるかと思うんだけど、実はちょっとした情報でもって止めることもできたりするんですね。それがお前にとってどんな情報かは知らんけど。

◆自由

たとえば紙粘土を手渡されたときに、お前に発生するワクワクはいかほどだろうか。それは今まで得てきた情報によって決まる。

お前が自由を持て余すのは、情報を持ってないから。狭い世界に生きているから。

◆知れば食える

食品を理解していないという理由で好き嫌いが発生することがある。

自分で育てた野菜がうまいのは、野菜について理解できてうれしいからだ。理解できていない食品からは、甘いとか辛いとかそういうわかりやすい刺激しか得られない。そんなのおいしくないだろう。

玄米が白米よりうまいのは、玄米が白米より多くの「おいしさ」を持っているからではない。バックにより多くの有益な情報を持っているからだ。味は味覚だけでなく記憶からも形成される。

食品だけでなく、動物、つまり他人に対しても同じことがいえる。嫌いの理由の大部分は「知らないから」だ。お前の思いもよらない魅力とか、その性格に至るまでのいろいろな事情があったはずです。当人や周りの人の言っていることを真に受けて嫌う前に、自分で想像力を働かせてみてもいいんじゃないか。

うん。

ノザキのニューコンミートが枕缶からプラ(アルミック缶)に置き換わってきてる魚拓)んだけど、枕缶のあのおいしさがありますよね。巻き取りカギをグリグリして開ける楽しさは何物にも代えがたい。角をほぐしてチマチマ食うのがうまい。

ってかあのプラパッケージのニューコンミートってちょっとウェッティーすぎない?もうちょいパサパサで筋線維が分かりやすいのを食いたいんやが。

◆情報技術

IT。世間にあるお仕事って情報がとても大事なんだけど、その情報はコンピュータでもって自動的に処理できるものが大多数です。人の手でやるのは馬鹿らしい。

でも日本はIT後進国だから結構遅れてる。情報の重要性を理解していないし、情報の処理方法を理解していない。頑張っていただきたいよね。

◆何でこんなことを話していたのか

コロナでヒーコラ言ってる人とかたくさんいるじゃん。その人らも、「人間どうしで情報を円滑にやり取りする仕組み」があれば救われたりするんじゃねぇかなと思った。インターネットもちょっとまだ足りてない。

あと、自分に都合のいい情報、都合の悪い情報だけ集めて事実を蔑ろにする人間をよく見るから。中途半端に得た情報で泣いたり笑ったりするな。

◆おまけ:てきとうな話

▼情報の速度

情報の最高速度は俺たちの世界ではおおむね光速。重力ですら光速以下で作用する。太陽が爆発しても地球はしばらく公転を続けるらしいっすよ。夏休みの自由研究で試してみてはいかがか。

ただ「量子もつれ」の作用は現状、光速を超えちゃったりするんだそうだ。夏休みの自由研究で試してみてはいかがか。

▼情報量

エントロピー。情報の起こりにくさ。複雑性。知った時に世界から減った不確実性。

情報理論という学問で勉強できるし、興味深いんだけど、詳しくないから説明しない。はんぱになるし。

▼情報の価値

文脈によるんだけども、「情報」は情報単体で確定しない。情報を受け取る側によって確定されるものだ。情報は何かに観測されない限り情報ではない。観測されていないという情報しか持たない。

赤を知覚できない人間にとって夕日は赤いだろうか。視認した「夕焼けの空」という情報に何を思うだろうか。

犬笛を聞くことのできる人間がいないように、人類が知覚しえていない何か大切な情報が別の次元を流れているかもしれないよね。ロマン。

◆結論

そんなかんじ。相変わらずまとまってない。