ひさびさの歌詞考察。

やべー曲だよなこれ。書きながらも泣けてしまって、全部読み下すのに時間かかったわ。

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トーチの歌詞はこちらから。

※おことわり※

あくまで個人のそのあれだから、お前はお前で好きに解釈しろ。

あと、考察っていうか読み方というか歩き方というか「なぜ泣けるか」みたいな仕上がりになってます。

出せない悲鳴が真夜中騒いで 四角い部屋で迷子になったら
呼びかけて欲しい 僕の中 君のいた場所から

何か辛いことがあって気持ちがザワザワーっとなっている。単なる気持ちの問題なのに呼吸すら苦しく、「ああもう!」ってな風に叫んでしまいたい。

「四角い部屋で迷子になったら」は、いてもたってもいられない状態を表している。どうにもならないのにワンルームをグルグル回って、もう自分をコントロールできない。どこに落ち着けばいいのかわからない。

そういうときがきたら。というかまさに今なのだろうけど、「君のいた場所」ら呼びかけて欲しい。

後の歌詞を読めばわかるのだが「君」はもういない。その、いなくなってしまった君の場所から、呼びかけて欲しい。声が欲しい。

醜い思いが身体中暴れて 昨日と明日に爪を立てたら
笑いかけて欲しい 僕の中 いなくなった場所から

「もう殴ってやろうか」とか「見捨ててやろうか」とか「無責任に逃げてやろうか」とか、そういう思いが次々と湧いてくる。自分じゃどうにもできない。心が暴れている。

「昨日と明日に爪を立てたら」というのは、つまり爪を立てるのは人間じゃないっすよね。なにか四つ足のケダモノを想像してくれろ。そして、そのケダモノは昨日と明日に爪を立てている。
カーペットの上で爪を立てている猫を動かそうとするとどうなるだろうか。爪が引っかかって、動かせないだろう。つまり、今日に閉じこもるようなイメージだな。

そういう時は、その暴れる自分(の感情)に笑いかけて欲しい。

そこから今でもここに届く すぐにでも心を取り戻せる

「すぐにでも心を取り戻せる」が最高に泣ける。悲しすぎる。

辛い目にあわされて全部嫌になった。気持ちが悲しくて、だけど君がいなくて、まるで言葉の通じないケダモノのようになってしまった。でも、君が笑いかけてくれるだけで人間に戻ることができる。すぐにでも心を取り戻せる。

今までは君が居た。だから、辛いことがあっても君と分かち合うことができた。君が居たから乗り越えてこれた。そして君はもういない。なんとか君のお陰で心を取り戻せても、そこに君は居ない。

震える足でも進めるように 自動的に空が転がるように
次々襲いくる普通の日々 飲み込まれないでどうにか繋いでいけるように

「ように」が2種類あるな。「~ができるように備える」と「例えば~が~であるように」。

人間に戻れたんだけど、でもやっぱり悲しいものは悲しい。立ち止まり、うずくまってしまいたくなる。だけど、その震える足でも進めるようにしなければならない。

何もしなくても自動的に空は朝になり、夜になる。それと一緒に次々と「普通の日々」が襲い掛かってくる。

わかるだろうか。普通の日々が襲いかかってくるっていう。普通に生きていたいんだけど、なんか自分のまわりが敵に見えるようなイベントしか起こらない。みんなこなしているはずの普通の日々が、自分にとっては辛いものなんだ。

そういう日々に飲み込まれて心を失ってしまわないように在らねばならない。

「ように」について、「願いが叶いますように」みたいな神頼み的意味もあるんだけど、この歌詞だと違うね。神頼みなら「繋いでいけるように」じゃなくて「繋いでいけますように」になるだろう。第一、自分の意志で成さねばならぬことだ。

とげとげした音が耳に飛び込んで それでも君のようにいたいから
見ていて欲しい 僕の中 さよならの場所から

人の悪い噂とか、悪事がバレたひとの話とか、隣んちの夫婦喧嘩とか、そういう音が自分の心をささくれ立たせていく。それでも、君のように強く、ブレずにありたい。だから「さよならの場所」から見ていて欲しい。

「さよならの場所」っつーのが重要で、主人公は君と「意識的に」さよならしたということがわかる。心にずっと君をもっておいて、ずっとさよならしないこともできる。だけど、そのままだと「君のように」いられない。だから、さよなら。

悲しい。

少しずつだけど足跡増えたよ 少しでも君のようにいたいから
ここまで続いた 僕の中 君のいた場所から

君を失くして、それから君を想い続けた。君を失くした悲しさは僕の中で暴れまわっていた。だけどいつか、心に抱えていた君の幻に縋りつくことをやめた。君のいた場所から、少しずつだけど歩いてきたんだ。君のようにいたいから。

悲しすぎる。歌詞力が高すぎる。

そこから離れていけるように 1ミリも心は離れない

君を失くした悲しさから離れるために、君の事を絶対に忘れない。君の生き方を、君の思いを絶対に手放さない。1ミリだって君から離れない。

伝えたかった思いは時間をかけて 言葉になったけど もう言えないから

君と一緒に居た時は、思いがボンヤリしていた。なぜなら君がずっといるものだと思っていたから。ハッキリさせる必要が無いと思っていたから。

だけど、君はいなくなってしまった。君を失くし、君を想い続け、そしていつの間にか、伝えたかった思いは言葉になった。

でも、伝えることは叶わない。この言葉は君を失ったからこそ生まれたものであるが、君はもういない。

君といた事をなくさないように なくした事をなくさないように
どれだけ離れてもここにある 君がいるからどこまでだって

僕が例えば「君を失くした悲しみ」に縋り続けたら。あるいは「とげとげした音」に心を囚われ、誰かへの思いやりを失くしてしまったら。

それは「君といた事をなくす」ような行為だ。なぜなら、君が大好きだったから。君の思い、君の言葉、君の笑顔が大好きだった僕が、無くなってしまうから。あのとき君は確かに僕と共にいて、だから僕は君のようにいたいと思えるんだ。

どれだけ「さよならの場所」から離れても、君が居たこと、君を失くしたことは僕の中にある。

震える足でも進めるように 今も星空が広がるように
すぐにそんな風には思えなくても 動かなきゃきっと君に会えない
会いたい 会いたい

雲がかかると星空は見えなくなってしまう。でもそれは目に映っていないだけだ。雲の上では星空が広がり、輝いている。それと同じように、今はいない君が、僕の中にいる。だから僕は震えながらだって進むことができる。君は僕の中に生きているんだ。

すぐにそんな風には思えなかったとしても、歩いて行かないと、立ち止まってしまうと、君に会えないと思う。だから僕は君から離れ、歩いてくんだ。

あぁ。

君に会いたいよ。

「すぐにそんな風には思えなくても」という表現がとんでもない。今思ってないし、思えるという確証もない。でも動かなきゃいけないという決意が感ぜられて泣いてしまう。

◆結論

いやーもーすげー曲よね。こんなんボロ泣きですわ。

※以下のリンクは自動再生注意

それにひきかえオメー「ベイビーアイラブユーだぜ」ってなんだよ。「ちゃんと聞いたらもしや?」と思ったけど以上でも以下でもなかったわ。Auroraも何だったんだ。月虹もどういう観点で読めばいいんだ。どこに迷ってどこに着地したんだかさっぱりわからん。いい加減にしろ。血界戦線でUNISON SQUARE GARDENにボコられて拗ねてんのか?自信持てよ。向こうは人の涙腺どうこうできる曲もってねぇから。

BUMPは歌詞の緻密さと切実さが最強だ。でも最近は何となくなアレが多い。歌詞厨としてはちょっと残念だよ。

あ、流れ星の正体はよかった。泣ける。何が起きたのかぼんやりとわかるのがとてもいい。ぼんやりとしかわからないのがいい。