※インプット…ある情報がある人の頭に入ること。
◆尊い
尊いインプットがあったとき、人は思わず「尊い…」と漏らすそうだ。なんかTwitterでそうなってた。
Twitter民曰く、「尊い」ものはつまり男同士が捩鉢巻きに六尺姿でお互いのアレやコレやをどうのこうのでエンヤコラっていうクッソ汚い世界の恋愛事情だらしいんだが、それって俺からしてみたらちっとも尊くない。むしろ気持ちが悪い。でも一般的なTwitterユーザーにはかくも恐ろしい価値観が共有されている。
さて、これは不思議なことだ。インプットは同じであっても、どうやら人によって与えられる情報の「尊さ」が異なるらしい。
参考までだが、俺にとって「尊い」やつを紹介しよう。
それはまずモチロンご存じの通り「街の灯」、すなわち「City Lights」である。
何度見ても泣く。「だぁっっハ😭」っつって泣く。あるいは「ぐっ…ぎヒぃぃ😭」ってな具合よ。
“You?”
…っぉふっ(絶句)…ぐぅ゛ぅ゛ ぅ゛ (泣き)
でしょ?尊い。尊いわ~。
胸が締められるような思いをしたもんだ。観終わった後も涙が止まらず、暫く呆然としていた。これほどドブネズミみたいに美しい物語があるのかと思った。
グリーンマイル?うん。泣く。
そうなると、いや、そうならずとも、全てのTwitter利用者が愛してやまないホモの「尊い」やり取りってチンカス程も尊くないじゃない?
もしかして、全Twitterユーザーは「街の灯」を観た事ナッシングで、それゆえに「尊さ」を知らないのだろうか。
いや、そんなことなかろう。逆に全員一度くらいは観ているはず。
一体どうなっているんだろうか。ふっしぎぃ。
◆貧プット
誰の言葉だったか
「アニメと漫画とゲームしかインプットの無い奴が創作をするようになるぞ」
という予知を耳にしたことがある。
これは、そうだし、やべぇな。ハンパなくヤバい(語彙喪失)。
無論、アニメ漫画ゲームを貶める意図はないし、俺はそれら好き。でも、それらしかインプットが無い奴が創作の場に出てきて、まかりまちがって世間に好意的にとられちゃったらもう世紀末ですよ。そんな世界が到来した日にゃ自殺も辞さない。
インプットには深さがある。ある情報を受けた時、脳のどこまで届くのか。深さは「人間」「情報」の組み合わせにより決定される。
例えば「重たい小説」を「底の深い人間」に落とすとどうなるか。その重たい小説は、ぅにゅーっと人間の深いところまで届くだろう。
じゃあ「軽い小説」を「底の浅い人間」に落とすとどうなるか。
底を衝くんですね。怖いですねこれは。駄文に彼は感動するんです。
極端な話、限界まで教養を削った人間はフリントで火を起こせることに驚愕し、感動する。チャッカマンが存在していることなんて想像だにしない。
逆に「重たい小説」は彼の底を貫通するもんだから重さなんて計測不能だし、そもそも「つまらない気がする」って読みもしない。
なんで「アニメ漫画ゲーム」が言われるかっていうと、「流し体験」が可能だからだ。アニメも漫画もゲームも、そりゃあ深い物なんだが、テメーらカスどもは「絵」やら「画」を中心に味わいつつ食べるんですね。
しかもあの「かわいいおにゃのこ」に釣られたんでしょ?かわいいおにゃのこが登場しないものは読まないでしょ?「坊ちゃん」程度ですら読まないでしょ?
それがゴミ。浅い。
コンテンツ以外でも例えば「頭をぶつける感覚」を知らない人が「竹刀で頭ぶん殴られた人の状態」を描写することは可能か?
山登りしたことが無い人が山登りの感覚を描写することは可能か?
辛いことからひたすら逃げてきた人間が、困難に立ち向かう気持ちを描写できるか?苦難を乗り越えた感覚を描写できるか?
そして、ありとあらゆる経験は網目のように互いに接続しあい、人間の底を深めていく。全ての事象がやがて紐づき、応用が効くようになる。人間と話せば話すほど人間の心理描写は緻密になっていく。
じゃあ家に引きこもってサブカル漬けの人間が、何を描けるというの?サブカルしかインプットが無いんだからアウトプットも「範囲内」になってしまうんだよ。しかもそのインプットも質が悪い。なぜなら脳の準備が出来ていないから。
今まで得たインプットが多様で、且つ量が多ければ、新しいインプットの効果は増大する。逆もまた然り。
ガッツリした小説とか読み漁って、ガッツリした映画とか観漁って、ガッツリした人生経験を送ってるやつのほうが、サブカル漬けのお前よりも「おにゃのこ作品」を理解してるんだぜ?お前が読み取れなかった行間を読んでるんだぜ?お前は所詮おにゃのこしか見えてない。作品の根底に流れる地下水を汲み取ることはできない。だから創作したところでしょうもないものしか作れない。が、自分では会心の出来だと思ってるんだろ。悔しくないの?
っていう意味が含まれた
「アニメと漫画とゲームしかインプットの無い奴が創作をするようになるぞ」
なんだろうね。着眼点が素晴らしい。ぐうの音も出ない。
あっ色々書いてたのは俺の意見じゃないよ。「そう読めるねキャヒフフ☆」っていうアレだ。
◆RST
「じゃあインプット増やすぞい」って言っても、そもそも国語力、読解力が無いんですよね。
https://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-2.pdf
文字を読めてない。転じて文章構築能力がない。
仕事してても思うけど、日本語不自由な人のまぁ多いこと。貴様の文章は全くもって伝わらぬわ。こっちは「あっ日本語不自由かな」と気を利かせてYES/NOの質問送るけど、テメーら要領を得ねぇ回答してくるし。もっかい聞いたらまごうことなきYESだし。
(真人間が書いた)本を読め。新聞を読め。文章書いたら「伝わるっけ?」って見直せ。良い感じに書き直せないんならもっと文章を読め。
◆いくら読もうと
俺の父親は実に良く本を読む人間だ。今は知らんが。
でも、人間的に残念でした。誘いに弱い、詐欺に弱い、嘘をつく、ギャンブルにハマる、後先考えない。
なんなんだろうコレ。すごい本読んでたんだけど、ソレどこにいっちゃったわけ?もったいな。
身近にいたから偶然知ってたけど、そういう人間もいる。漫画超読んでるのに雑魚キャラみたいな性格の奴もいるよね。
◆遠いインプット
ここに3歳のホモガキがいますね。彼にこう告げたとしましょう。
「人生は短いし、親はあなたよりも先に死ぬものです。ですから、周りの人を大切にして、後悔なきように精一杯、笑顔で生きなさい。」
届くか?届かないな。遠い話だから。人生を見つけるまではえらく時間がかかる。50年とか。だからこの言葉は届かないし、言うだけ無駄です。
これはオーバーな例だけど、小さい規模なら結構あるね。
「骨髄バンクにドナー登録をしよう!」
この言葉とあなたの「距離」は?
遠いね?
このインプットは遠すぎて、あなたに影響を与えない。
同じように、誰かの言葉が、そこに込められた意味程の影響を俺に与えないかもしれない。
そこに恐怖を感じる。能力の無い人間は、その無能ゆえに己の能力を知ること能わず。それって怖すぎる。自分は無能かもしれないが、それを知るすべはない。行間を読み損ねること、大切な情報を受け取り損ねることが恐ろしい。俺よりもっと賢い人間は俺よりもっと深く世界を知っているのだ。
それがちょっと怖いというか、残念というか。どうでもいいっちゃどうでもいいような。
自分を客観視することに未だに失敗している。なんだろうねこれ。
ちなみにこのブログはクソの掃き溜めだから、ここで自分を客観視するつもりはないよ。恥ずかしいこととか勘違いとかをいっぱい書くよ。
◆フィルタ
ググって出てきた内容を即座に信じるのをやめろ。疑え。
◆アウトプット
このブログもいわばアウトプットだけど、100%伝わっているとは思えん。そもそも俺が100%伝える努力をしてないし。
日常はアウトプットの連続だ。LINEするしメール送るしチャットツール使うし、話すし。
そのアウトプットは誰かにとってのインプットです。さっきも言ったように、インプットの持つ効力は人によって変わる。だから、相手の気持ちを考えてアウトプットしたいよな。
「伝えたのに」っつったところで、伝わってなかったら両者に一定の非があったと言えてしまう。「こいつすげぇ伝わらねぇな」というのを察したら、相手の耳が酸っぱくなるほど口を酸っぱくして丁寧に伝えないといけない。それが伝える側に課せられた義務だ。逆に受け取る側も可能な限り想像力を働かせてアウトプットを消化しなければならない。
伝わらなかった時は「なんで伝わらなかったんだ?」を考えないといけない。何度言っても伝わらないのなら「なんで何度言っても伝わらないんだ?」を考えないといけない。怒って伝わるなら怒ればいい。でもそんなの疲れるし悲しいでしょ?ちょっと落ち着いて、考える時間をとってみてもいいんじゃないの。
逆にアウトプットを得たい時は、「こういうアウトプットをください」というのをアタマで整頓してからリクエストしろ。
◆結論
結論も何も。
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