おととい提出された「歩きたばこアイスバケツチャレンジ法案」は昨日、本会議に於いて賛成0名で可決された。今日公布され、明日から施行される。ホラ話ではあるが。

ニュース等でそのブッチ切れた内容に驚かされた人も多いことだろう。

「歩きたばこアイスバケツチャレンジ法案」は全一条から構成される。

第一条 歩きたばこしてる人に液をかけてもOKとする。

令和一一四五一四年法律第百九十一万九千八百十号

法律施行RTAを目論んだ内閣が手練手管の限りを尽くして無駄に成立させた空前絶後のクソ法律である。

この稀代のクソ法律は、当然のことながら市民から数々のバッシングを食らう…前に施行されてしまうものであるから、誰も彼もが置き去りにされた形だ。どうあがいても施行は明日。

◆類似する条例

参考情報だが、路上喫煙禁止条例が既に制定されている地域もある。

◆法解釈

条文の内容が未だかつてなくザックリしているため、様々な解釈がなされ、様々な運用をされることと思われる。意図を読み取ろうとすれば以下のようなものになるだろう。

歩きたばこ(紙巻きたばこ)の火を、バケツ一杯程度の水により消しても良い。

だが、実際の法律はいくらでも応用が利いてしまう。

まず、たばこの種類がある。電子タバコも噛みタバコも水タバコも、条文に従うのであればアウトであろう。

路上喫煙を「歩きたばこ」と呼んでいるのかどうかも観点の一つだ。歩いているか否かは「歩きたばこ」の条件となるのだろうか。

それに「液」て。あと「OKとする」のフランクさも凄い。「罪とならない」という意味だろうか。

最大限の拡大解釈をすると、以下の行為が許されることとなる。

路上で嗅ぎタバコを嗜んでいる紳士に硫酸を浴びせる。

人生が退屈そうなザコサラリーマンが歩きたばこをしているので、480tの水を高所から叩き落とし、殺害する。

流石に過激なように思える。

汚い話で申し訳ないが、排泄物が液状になることもある。それをぶっかけても良いものだろうか。条文を解釈の拠り所とするなら、良いとしか読み取ることができない。

また、法律の題名に「アイス」が含まれるため、氷を想定しているのだろう。つまり、液の中に固体が混じることも許可されるのだ。

雪合戦の雪玉につららを混ぜることすら禁忌であることを鑑みれば、やはり常識を超越した法律であると驚嘆せざるを得ない。

◆準備

まず、歩きたばこをしている人に近づかないことだ。二次被害を食らう可能性がある。

靴にも気を配るべきだ。様々な液が道にまき散らされることとなるため、丈夫なブーツ、長靴を着用して暫く様子を見るべきであろう。液同士が化学反応を起こして有害な気体を発生させる恐れもある。場合により防護マスクが必要となるため、ホームセンター等で準備をしておく事をお勧めする。

そして当然ではあるが、普段歩きたばこをしている人は濡れても大丈夫な恰好で往来するべきだ。また、注意しなければいけないのは人だけでなく、例えば水槽付消防車からすれ違いざまに放水されることもあるだろう。すさまじい威力の放水が直撃し、頭を壁や地面に打ちつけてしまう可能性がある。ヘルメットの着用は必須だろう。

Wikipedia – 放水砲

陸だけでなく、空にも注意が必要だ。外出中に航空機の飛行音を聞いたときは、ただちに屋根のある建物に避難しなければならない。

熱湯や液体窒素をかけてくる主婦もいるだろうから、雨合羽等の軽装で外出することは推奨しない。

ぶっかけられたことに怒りが発生するのは当然だろう。しかし、反撃は暴行、傷害の罪に問われる可能性が高いため、慎むのが無難である。

ぶっかける側の人は例えば水筒などの持ち歩きやすくぶっかけやすい容器に思うがままの液を入れて玄関に常備しておくのをお勧めする。意外性を狙うのであれば「ゆるめのおかゆ」「ラーメン」などを忍ばせておきたいものであるが、食品であるため批判は免れないだろう。
また、ウォーターガン(空圧水鉄砲)が有効だ。遠距離から安全に液を放射することが出来る。あるいは壁の汚れを落とすための高圧洗浄機等も深夜のテレビショッピングで良く見かけるので、普通のぶっかけに飽きたころに購入すれば新しい世界が開けるだろう。
タマゴや水風船がどういう判定になるかは不明であるため、今後の動向を見守りつつ採用していく必要がある。

◆今後

このような法律が施行されると困るので選挙に行こうね。