長らく答えが出なかったんだけど、こないだ遂に言語化することに成功した。

どういうことかっていうと、つまり、俺がメシの事を大切に思っているからだ。メシの事を愛している。メシが無いと死ぬほどメシの事が大好きだ。

うん。

じゃあ、メシとは関係なく、例えば自分の好きなものを貶されたらどうだよ。そりゃ怒るだろうが。それと同じ話なんだなと理解した。

メシは食うと旨いし、食うと生きることが出来る。現代社会だと軽視されがちだが、メシを食って生きてんだよ俺は。それをオメー簡単に残しやがって。俺の愛するメシを。

そういうことだ。

もっと簡単に説明すると、金持ちが馬鹿げた金の使い方してるのを聞いて殺意が湧くヤツ。それだ。ちゃんとすれば良質な幸せを生み出せるものを「ちょろちょろり~んwおぽぽぽーいwww」的な態度で扱ってるのを見て怒りが湧くわけだ。金配ってる人がいたとして、そこに群がるのも嫌だろ?それは金を愛しているからだ。メシもカネもヒトも同じ。

「メシを満足に食えない人間もいるんだぞ」とか「お百姓さんが」とか「神様が」とかじゃなくて、もっと、そういうのを超越したレベルでメシ自体が好きだ。だいたい「アフリカの子供が」とか、お前も大して知らねぇくせして情に訴えようなんて卑怯だ。

ただ単純にメシの事を裏切りたくない。だから俺は残さない。メシを残す罪悪感は、メシを裏切った罪悪感だったのではないか。

残す人をみると「残してる!」と思う。それは文化の違いを目の当たりにしたからだろう。

「メシのことそんな好きじゃないよ」

っていう人を見たらそりゃビビるわ。メシに生かしてもらってるくせに何言ってんだコイツと。そうだろ?

妻を蔑ろにする夫。夫を蔑ろにする妻。子供を蔑ろにする両親。両親を蔑ろにする子供。色々いるけど「何でそんな態度なの?」って聞くと「え?だって大切にしたところで楽しくないじゃん」って感じでしょ?じゃあ今まで大切にしたことあんのか?無いくせに何を知った風な口をきいてんだか。自分のことすら真剣に考えた事なんてないんだろ。「大切にしたつもり」どまりで終わってんだよ。

「幸せにしたろうかな」ぐらいのこと思え。

そんなんだからメシの偉大さにも気づいていない。アンテナを張っていない。メシが好きかどうかって考えてない。なんつうか未熟。豪華なメシの表面を撮影してインスタで見せびらかしてゴミ箱に捨ててるんだろうが

ほんとに…いやまぁそれはいいや。好きに生きて勝手に死んでろ。

そいで、「残すな」と強制して吐くまで食わすのもおかしい。そんな態度はメシを冒涜している。そんなんメシを崇める宗教と変わらない。メシはもっと根源的な、生きとし生けるものたちに寄り添うものだ。メシに対する感謝の気持ちが足りてない。「残すともったいない」って言うんならお前が食え。無理に食わす方が異常だ。そんな扱いされたメシに謝れ。

「残すな」っていうのはつまり「責任を持て」ってことだ。食べ放題で食いきれないほど持ってきて残すのがギルティなのであって、固定量を渡して「食え」ってのは、もう意味が分からん。逆に「カラすぎて食えない」とか「多すぎて食えない」とか「くさすぎて食えない」とか、甘えんじゃねぇよ。メシとの間に食う食われるの契約を成すわけだから、それ相応のリサーチをしろ。

メシの偉大さを認知し、メシとちゃんと向き合い、対等な立場で食うことが肝要だ。感謝しろ。「メシ食えて良かったなぁ」としみじみ思え。良く噛め。他人事のようにメシを食うな。何をなぜ食ってんのかをアタマつかって理解しやがれ。

そして、メシを残す人にはやっぱ共通する空気みたいなものがある。「あぁ~そっか。だよね?」って感じる。あの何とも言えない雰囲気。あれが皆嫌いなんだと思う。そういう意味では、メシの重要性を理解していないにせよ残さず食べた方がいいのかもしれない。処世術的な意味で。

「こいつ取り敢えず美味そうにメシ食うよな」

っていう評価基準もあるだろう。

「こいつ適当にメシ食うよな」

ってのも当然ある。

いままでの人間関係でも、「残すタイプの人」には深入りしてこなかったなと思った。メシに限らずやっぱりどこか異常があった。「それでいいのかよ」と言いたくなるような態度をとる人間が多かったな。誠実さに欠けるというか、信頼しきれない。

俺はそんな感じ。

だから、もうメシを残す人に腹が立つことも無いだろう。理由が分かったから。つまり俺はただ、メシを愛していればいい。他人に対して「俺の愛するものを愛せ」っていうのもおかしな話だろ?

だからといって…まぁ分かり合えはしないよね。悲しいけどそれも事実としてそうだ。けどそれを嫌うのはおかしいし、程々に付き合えばいいじゃん。真剣に付き合うと覚悟したんならメシの重要性について説けばいいじゃん。

以上。メシ食ってくるわ。