◆死刑ってあんじゃん

お前らは死刑に賛成だろうか反対だろうか?
俺は
「死刑は倫理的になくすことができない」
そして
「死刑をなくす」じゃなくて「死刑にされる人を減らす」方向の努力をしろよ
っていう意見。

①感情的な視点から、殺さないといけない場合がある

女子高生コンクリート詰め殺人事件

↑みたいな事件があると「犯人は殺さないとなぁ」と思う。
「思う」のは個人の感想なんで、死刑に賛成する理由にはならないんだけどね。
でも、もしも自分が被害者と同じ状況にされたら、加害者には死んでもらうしかないと感じるんじゃないの?
①の理由から、死刑廃止論者はそもそも被害者の気持ちについてちゃんと想像していなかったか、そうでなければ人の気持ちを考えることができないサイコパスってことになってしまうと思うんだ。
レイプされてボコボコに殴られて四六時中罵倒されて人体実験の玩具にされて、あげく「くさいから」って殺されてみてからじゃないと、死刑廃止論を唱えることはできないんじゃないの?俺にはとてもじゃないけど耐えることはできない。
人間の感情は特筆すべき要因だと思う。下に理論をまだ色々書いていて、俺はそれぞれが正しいと思っている。だけど、思いとしては①がかなり強い。

加害者だって、生かされてたとしても、もう無理でしょ。この社会は。
例えば「この猫には何の罪もありませんが、殺していいですよ。罪には問われません。」って猫を渡されて、殺すか?
「この女子高生には何の罪もありませんが、殴って罵倒してレイプして殺していいですよ。罪には問われません。」って言われて、するか?
「いやです」って言うでしょ?

頼まれても、「5億円あげるから」って言われても「いやです」って言うでしょ?

「いやです」って言ってしまうのは、あなたに人間の心があるからに他ならない。

②「冤罪がありうる」という反論

死刑制度の問題じゃなくない?レイヤーが違う。
加えて言うと「冤罪がありうる犯罪は死刑にできない」だけであって、死刑をなくしていいという理由にはならない。
「死刑をなくす」んじゃなくて「冤罪をなくす」努力を始めるべきでは?
なんで死刑をなくそうと思っちゃったの?ちがうよ?

③「国家による殺人だ」という反論

語気(言葉の雰囲気)が強いだけで、なにも主張していない。
そもそも「人を殺してはいけない」という国家のルールに守られて生きてきた人間が、その国家の枠からはみ出しておいて「国家による殺人だ」なんて、通らないでしょ。殺人を一度肯定しているんだもの。
皆にはルールを守らせておいて自分はルールを破るんだもん。ずるいよ。
「人を殺してはいけない」ルールの罰としては「死ぬ」が一番妥当だろう。
でもまぁ、情状酌量があって死刑を免れることもあるだろうね。それはそうだと思う。

④殺さないと維持費がかかる

いや、これについては死刑賛成の理由にはならないと思うぞ。命とお金の問題は分離して考えないといけないと思う。論点がずれるから詳しくは語らないけど。
提案としては、死刑廃止論者と死刑囚を集めた街を作って、そこで共同生活をさせるような仕組みを作ればいいんじゃないかな。
そこでは死刑なんて物騒な刑罰は存在しない。
給料はベーシックインカムとして死刑廃止論者が払えばいい。

⑤「死刑になりたい人が殺人を起こす」という反論

だから、死刑制度の問題じゃないだろ。
死刑に反対するんじゃなくて、安楽死制度を作れよ。
熱量を向ける先が違う。
あと、なんだろう。「死刑になりたくて殺人を起こす」ような奴がいたとして、死刑をなくせばそいつは殺人を起こさなくなるの?
ちがくね?

⑥「死刑制度は人権を無視している」という反論

逆だ。
人権を重んじているから死刑が存在する。
人権を軽んじているんなら死刑はそもそも存在しない。
死刑廃止論者は、自分では気づいていないかもしれないが被害者の人権を侮辱してしまっている。
遺族の心情も考えろよ。これも感情論なんだけど、感情論だからってなんで無視することができるの?
人の心がないの?

⑦「犯人は精神障害である場合が多い」という反論

人間の本質って何?精神なんじゃないの?精神をとったら何が残るの?
精神が人間じゃない動物は人間なの?「人間を裁くための法律」の範疇を逸脱した精神を持った動物を裁くためにはどうすればいいの?

「自分本位に人を殺してしまえる人」の味方をすることはできない。「人にやさしくできない人」くらいなら、それはしょうがない。脳の病気で済む。辛いけど、その精神を許しあって生きていかないといけない。でも気兼ねなく人間を殺せる動物が殺されたって、「それはそうか」としか思えない。

治療により人間性を回復できるんだとしても、早いうちに殺してあげたほうがいいよ。だって死刑になるようなことをした後に、ちゃんと人間性を取り戻せたんだとしたら、その人は自殺してるよ。精神治療が成功を収めた結果、相手は死ぬ。それはそうだ。のうのうと生きていられるわけがない。生きていられるんならまだ精神障害だよ。
だからつまり死刑廃止論者の人がするべきことは、精神障害の認知率を高めることで早期発見を促し、治療可能な医師を増やすことだ。あとは、親からの虐待や過干渉を受ける子供の救済といじめの抑止だ。

本当に解決すべき問題から短絡的な発想で逃げてはいけない。
ふわふわしていていわかりやすい「イメージ」に文句をつけて気持ちよくなるんじゃなくて、痛みを伴う現実と向き合ってほしい。
幸せになれる人間を増やしてほしい。世界の苦痛を減らしてほしい。

⑧死刑では償いにならない

お前が決めることじゃないから。

◆たとえ話

テーブルの上にリンゴが並んでいて、おいしいリンゴもあれば、腐ったリンゴもある。
腐ったリンゴをおいしく食べる方法はまだ確立されてないんだから、みんなおいしいリンゴを食べたい。

腐ったリンゴを食べたい人もいるらしいけど、俺にその気持ちはわからない。けど「まぁそういう人もいるか」とは思う。その人たちが頑張って腐ったリンゴをおいしく食べる方法を見つけたら、俺も腐ったリンゴ食べるよ。そして、その人たちに感謝すると思う。腐ったリンゴはもう、人を害することしかできなかったんだから。

その腐ったリンゴでは実際に人が死んでる。人が死ぬっていうのは、その人の未来が無くなるっていうことで、その人の親族、友達、みんなが悲しむ。バーチャル世代にはわからないかも知れないけど、人が死ぬってことは重大なことだ。だからこの社会では、情状が無い限り、人を殺す時は自分も死ぬ覚悟を持っていないといけない。当り前の道義だ。そのおかげで俺もお前も今日まで生きてこれた。

困ることがあって、腐ったリンゴ保護派の人が「腐ったリンゴも食べるべき!」って言って、学校の給食に混ぜようとしている。
駄目でしょ?その人たちだけで食べてよ。巻き込まないでよ。困るよ。
知らないかもだけど、思ってるより腐ってるよ?想像も及ばないほどに腐ってるんだよ。「黒ずんでる程度でしょ~?」とかじゃないんだよ。芯からやられちゃってるんだよ。そういうリンゴは実際に存在してるんだよ。アニメとかドラマのはなしじゃない。俺も体験したわけじゃないけどね。でも体験した人の話を聞いたとき、その心情に共感することができる。

腐ったリンゴに共感することはできない。俺にその能力はない。
ごめんなさいって泣いて見せられたところで駄目だ。それで堕ちるのはよっぽどちょろい世間知らずの頭お花畑ちゃんだけだ。俺は腐ったリンゴを絶対に何があっても許さない。無念のなかで死んでいった、きっと幸せになるはずだった人たちの、その奪われた笑顔に賭けて許すことはできない。俺にその権利があるなら地の果てまで追い詰めて全身全霊で苦しめた後に殺す。命を侮辱し踏みにじって殺す。殺された被害者とその家族の写真に謝罪させながらゆっくり首をネジ折って殺す。

絶対に許さない。

っていう風に俺が怒っても何にもならないんだけどね。どうにかなりそうなくらい怒ってるけど所詮俺は部外者だし。
話を戻そう。

例えば魔法使いが現れて、腐ったリンゴをおいしいリンゴに戻したんだとしても、共感することはできない。そのリンゴの人生の最初から最後まで、何一つ共感できない。その「元・腐ったリンゴ」をテーブルから取り除き、誰にも触れないように、誰にも知られない内に廃棄することしかできない。

でも、「ここまでなら腐ってないよ!廃棄しちゃ駄目だよ!」っていうのは分かる。木から落ちたリンゴはジャムに出来る。それはとても良いことだ。

腐ったリンゴが人々を害さないように、捨ててくれるおじさんがいる。あと、リンゴが腐らないようにしているおじさんもいる。捨ててくれるおじさんに「捨てるな!リンゴがもったいないだろ!」って文句をつけても、おじさんは困るだけだろう。だって腐ってるし、捨てないとみんなが困るのだから。おじさんも捨てたくて捨てているわけではない。
リンゴが腐らないようにしているおじさんの手伝いをしてあげたら、おじさんは喜ぶだろう。捨ててくれるおじさんも喜ぶと思う。俺も嬉しい。多分だけど、手伝ってあげたお前も幸せな気持ちになるんだろうな。口だけで文句をつけるよりも大変なことではあるんだけど、何倍も意義のあることだ。もちろんだけどリンゴも喜ぶだろう。

やっぱり完全に腐ってしまっているリンゴについては廃棄してほしいな。それか、責任もって家に持ち帰って欲しい。そしたら何も言わないよ。無責任なことしちゃ駄目だよ。無責任なことされたら皆怒るよ。皆から怒られるとあなたも怒りたくなるでしょ?
そんなん悲しいよ。

腐ったリンゴのために怒るの?腐ったリンゴのために時間使うの?
そんなどうしようもない物体よりも、木から落ちて捨てられそうになってるリンゴのために怒ってよ・・・

◆結論

死刑は、無くせないでしょ?だって意味が分からないくらい残虐で陰惨で、かつ冤罪の疑いようがない殺人事件が起きるんだから。
正しい理屈を正しく運用しようとすると死刑が必要になるときが絶対にくる。
「死刑になる人間を減らす」ことが重要だと思うよ。
「死刑をなくす」は、単に臭いものに蓋をしているだけ。

『沢山努力したくないけど、人が死ぬのって良くないと思うから、とりあえず死刑を廃止しろって言ってみた』

ってだけ。無責任かよ。
頭を使うことを放棄するな。よりよい社会のために頭を使ってくれ。なんとなくのイメージなんかに自分の心を好きにさせるな。想像力を駆使しろ。哲学しろ。

親に虐待されている子供を探し、救え。うまくやればそれだけで死刑囚はいなくなるかもしれない。俺はそう思う。

頑張れ!